
グーグルの開発者向けイベント「Google I/O」の会場で披露された、Pixel初の折りたたみスマートフォン「Pixel Fold」。折り目を気にする声を耳にするが、ディスプレーを正面で見ている分にはさほど気にならない
グーグルは2023年5月10日(現地時間)に開催した開発者向けイベント「Google I/O」にて、Pixel初の折りたたみスマートフォン「Pixel Fold」を発表した。日本市場でも販売され、価格はグーグルの直販サイトで25万3000円。ここ数年、PixelはソフトバンクとKDDIのみの取り扱いであったが、今回から、NTTドコモだけが持つ周波数帯「n79」に対応。NTTドコモでも取り扱われる。
NTTドコモの井伊基之社長は「私どもの5G周波数が特殊だったので、コミットメントしないと作っていただけなかったという状況だった。今回は、コミットメントして私どもの周波数に対応したものを作っていただけた。ユーザーからも要望があり、ようやく実現にこぎ着けた」と語っている。
NTTドコモが取り扱うことで、3社が競い合うようにPixel Fold、さらに同時に発表されたPixel 7aを売っていく可能性が高い。日本でPixelのシェアはまだ低いが、3キャリアによる販売合戦が実現するば、Androidスマートフォンのなかで存在感を出してくるかもしれない。
すでに発売となっているPixel 7aに関しては、日本国内でも披露され、各媒体にレビュー記事も多く上がっている。
一方で、Pixel Foldに関しては日本国内での披露もなく、Google I/Oで現地に行ったメディアにしか公開されていない。筆者は4年ぶりにGoogle I/Oのリアル取材ができたので、Pixel Foldが実際、どんな端末なのか、現地から4つの視点でお届けしたい。
質感・サイズ感:
Galaxy Z Fold4より20g重いが、なぜか軽く感じる
基調講演終了後、Pixel Foldを持った瞬間、「軽い」と感じて、思わずTwitterでつぶやいてしまった。しかし、これは単純に「軽い」というのではなく、筆者が使っていたGalaxy Z Fold4よりも「軽く感じる」ということだった。
ホテル戻って、実際の重さを調べたところ、閉じたとき6.2インチのGalaxy Z Fold4が263gで、閉じたとき5.8インチのPixel Foldが283gと、Pixel Foldのほうが20gも重かった。
翌日もグーグル本社で触る機会があったのだが、改めて触ってみてもPixel Foldのほうが軽く感じた。自分だけの感覚かと思い、周りにいた複数の記者さんにも持ち比べてもらったが、「確かにPixel Foldのほうが軽く感じる」ということだった。
いろいろと考えてみたが、Galaxy Z Fold4は無骨なつくりで、全体的にしっかりとしたつくりとなっている。また折りたたみ時に厚みがあるため、金属の棒を持っている感じがするのだ。
一方でPixel Foldは、薄い板を持っているイメージに近い。質感も従来のPixelシリーズ同様にポリカーボネート感があるため、なんとなく軽く感じるのかも、という結論に至った。