過疎地域は「スターリンク」を借りてカバーしては
確かに日本全国にメタル回線を維持しつつ、今後は光回線に置き換えていくとしても相当な負担を強いられるのは間違いない。
ただ、光回線は、携帯電話の基地局にも接続し、5Gスマートフォンが通信する上で不可欠なインフラといえる。NTT法を見直したとしても、KDDIやソフトバンク、楽天モバイルが全国でエリア展開をする上で、NTT東西はきちんとそうした会社に光回線を安定的に提供する義務は果たし続ける必要があるだろう。
一方で、人があまり住んでいないような過疎地域に関しては、必ずしもメタルや光回線を敷設する義務を負い続けなくても良いのではないか。
たとえば、KDDIは衛星通信会社であるスペースXが提供するスターリンクをベースに山間部や離島において、衛星経由でauの4Gや5Gネットワークを構築しつつある。
NTTも、利用が極端に少ない山間部や離島といったエリアは無理にメタルや光回線にこだわらずに、スターリンクを借りてサービスを提供すれば良いのではないか。
すでにNTTドコモにはドコモのネットワークで利用できる固定電話サービス「homeでんわ」が存在する。インターネットも固定電話も、スターリンク経由で提供してしまえば、コストの負担も抑えられるだろう。
そもそも、こうした山間部や離島などに通信サービスを提供するため、我々ユーザーはひとつの電話番号あたり「ユニバーサル料」として毎月2円負担している。微々たる負担額ではあるが、これらを見直せるきっかけにはなるのではないか。