◆パフォーマンスは文句なし。電池持ちも及第点
プロセッサーは、ハイエンド向けの「Snapdragon 8 Gen 2」を採用。しかも、Galaxy向けに最適化し、処理速度を3.36GHzに高めた「for Galaxy」エディションを搭載。つまり「Galaxy S23 Ultra」や「Galaxy Z Fold5」と同じチップを搭載しているわけです。メモリーは、それらのモデルが12GBなのに対して、Galaxy Z Flip5は8GBと少し控えめですが、それでも十分ハイスペックと呼べる仕様です。実際の使用感はきわめて軽快で、ベンチマークテストでも良好なスコアを記録しました。
バッテリー容量は、前モデルから変わらず3700mAhなので、5Gのハイエンドモデルとしては少なめ。筆者が実際に使ってみると、1日は持つが2日持たせるのは厳しいかも……という印象でした。カバーディスプレーが大きくなったことにより、閉じた状態での電力使用が増えることを心配していたのですが、電池持ちは前モデルと同等と感じました。
◆自由なスタイルで撮れるカメラは、画質も良好
アウトカメラは超広角(約1200万画素/F値2.2)+広角(約1200万画素/F値1.8)の2眼。インカメラは約1000万画素/F値2.2。カメラのスペックは前モデルと同等で、インカメラのF値のみ2.4から2.2へと若干明るくなっています。
閉じたままでアウトカメラで自撮りしやすいことは先述しましたが、途中まで開いた状態ではアウトカメラ、インカメラのどちらでも撮影可能。自由な角度で固定できるので、好みのアングルで撮影することができます。
撮影画質は鮮明で、空の青や木々の緑などは実際に見えるよりも鮮やかな色で写る印象。料理も美味しそうな色で写りました。望遠レンズは搭載されていませんが、デジタルズームは最大10倍で、10倍で撮っても、さほど画質が粗くならないことも魅力です。
動画撮影はそんなに試していませんが、静止画と同様に画質は良好。半分まで開いてL字型にして、ビデオカメラのように握って撮影できることも利点です。
【まとめ】新型ヒンジとフレックスウィンドウで完成度が向上
フォルダブルスマホを使ったことがない人は、耐久性やディスプレーの凹みなどが気になるかもしれませんが、筆者はGalaxy Z Flip4を1年使ってまったくトラブルがありません。Galaxy Z Flip5はメインディスプレーがしずく型に曲がる新しいヒンジ構造を採用し、強度がさらに向上しているとのこと。折り曲がる部分の凹みも気にならず、不安なく使えるはずです。
大きなフレックスウィンドウを必要とするか否かは、好みが分かれるでしょう。個人的には、シンプルに通知が見やすく、タッチ操作もしやすいので、大きいに越したことはないと感じました。
縦折りのGalaxy Z Flipシリーズは、5世代目を迎えて誰にとっても満足できる完成度に達したと言えそうです。
Galaxy Z Flip5 | Galaxy Z Flip4(参考) | |
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ディスプレー | 6.7型有機EL(22:9) 120Hz対応 3.4型有機EL |
6.7型有機EL(22:9) 120Hz対応 1.9型有機EL |
画面解像度 | 1080×2640 720×748 |
1080×2640 260×512 |
サイズ | 72×165×6.9mm 72×85×15.1mm |
71.9×165.2×6.9mm 71.9×84.9×15.9~17.1mm |
重量 | 187g | 187g |
CPU | Snapdragon 8 Gen 2 for Galaxy |
Snapdragon 8+ Gen 1 |
内蔵メモリー | 8GB | 8GB |
内蔵ストレージ | 256GB (au限定512GB) |
128GB |
外部ストレージ | ― | ― |
OS | Android 13 | Android 12→13 |
無線LAN | Wi-Fi 6E | Wi-Fi 6 |
カメラ画素数 | 12メガ+12メガ(超広角) イン10メガ |
12メガ+12メガ(超広角) イン10メガ |
バッテリー容量 | 3700mAh(25W対応) | 3700mAh(25W対応) |
Qi | ○ | ○ |
防水/防塵 | ○/×(IPX8) | ○/×(IPX8) |
生体認証 | ○(側面指紋、顔) | ○(側面指紋、顔) |
USB端子 | Type-C | Type-C |
イヤホン端子 | × | × |
カラバリ | ドコモ:ミント、ラベンダー、グラファイト au:ミント、クリーム、グラファイト |
ボラパープル、グラファイト、ピンクゴールド |