佐々木喜洋のポータブルオーディオトレンド

Apple Musicにほかのストリーミングサービスから移行するための機能か?

文●佐々木喜洋

2024年02月25日 09時00分

 Apple Musicに、ほかのストリーミングサービスから移行するための機能が搭載されるかもしれない。

 これは先週Redditユーザーにより発見されたベータ版での画面による情報だが、現在ではApple関連の情報メディアであるMacRumorsも、Android版のApple Musicベータ版のAPKにその機能があることを確認しているという。つまり、これはApple Musicが他のストリーミングサービスからのライブラリーのインポート機能をテストしているのではないかということだ。

 ただし、ベータ版においてもまだ完全に機能していないようで、いつリリースされるのか、あるいはされないのかは不明だ。また現在のところ見つかったのはAndroid版だけである。

 Redditで共有された画像は、Android版のApple Musicアプリの画面に「他のサービスを指定してライブラリとプレイリストをApple Musicに移行します」というメッセージがダイアログに表示されている。またアプリの設定画面らしきメッセージも表示されている。

 しかし、もっと興味深いことはこの移行ダイアログの下部に"Powered By SongShift"という表示が見て取れることだ。このことからインポート機能が現在はサードパーティアプリである「SongShift」との共同開発ではないかと推測できる。

 SongShiftは、音楽プレイリストを異なるストリーミングプラットフォーム間で転送したり、友人と共有したりするためのアプリだ。Spotify、Apple Music、Amazon Music、Tidalなど多数のサービスに対応している。プレイリスト、曲、アルバムを異なる音楽ストリーミングサービスに転送することが可能で、転送したい音楽を選択し、既存のプレイリストに転送するか、または新しいプレイリストを作成するなどを選んで音楽ライブラリのインポートを行う。また、SongShiftがマッチングした曲をインポート後に確認し、マッチングが間違っている場合は修正することもできる。

SongShiftで使用可能なサービス一覧

 面白いのは、この件が発見されたのはAndroid版のApple Musicアプリ内だが、実はSongShiftにはAndroid版がないということだ。もしかするとiOS版については既にリリースされているSongShiftアプリを使用できるが、Android版はそうした移行アプリがないので、アップルが助力したとも考えられる。

 また以前書いた記事で、「共同作業プレイリストの編集」機能はSpotifyを意識しているのではないかと書いた。これはその記事でも触れたSpotifyからの挑戦状とも言える「アップル税なしでサブスクの提供を開始する」と宣言したリリース(EU市場のみ)に関連すると考えられるからだ。EU市場ではAndroid機のシェアが日米と比べると非常に高く、Spotifyの方が圧倒的に高いシェアを占めている。

 これを裏付けるように、先日2月22日にアップルがMacRumorsやApple Insiderなど海外のアップル系メディアに対して、Spotify問題に関する回答状のようなリリースを送っていることが各メディアでニュースにされている。この中でアップルは「Spotifyは世界中の160ヵ国のAppleユーザーとアプリを共有するのに役立ったサービスに対して、アップルに何も支払おうとしていません」と不満をあらわにしている。

 今回のAndroid版Apple Musicのインポート機能追加もこの一連の騒動と無関係ではないと考えると興味深い。

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