中国系メーカーの低価格タブレットの中から、今回はBlackviewの「Tab 9 Wi-Fi」を使ってみた。日本でも使える技適取得の海外メーカータブレットで、Amazon.co.jpでは約3万円で販売されている(7月1日現在)。必要十分な機能を搭載した手軽に使えるタブレットだ。
Widevine L1対応、スマホのお供にぴったり
Blackview Tab 9 Wi-Fiは11型(1920×1200ドット)のディスプレーを搭載する、中型サイズのタブレットだ。このクラスの製品は10型前後のモデルも多い中で、11型とやや大きめのディスプレーを採用している。チップセットはUNISOCのミドルレンジモデル向けとなるT610を搭載。メモリーは6GB、ストレージは128GBと、ミドルレンジモデルとしては十分な容量を確保している。外部ストレージ(microSDカード)は最大1TBに対応。
バッテリーは8200mAh。背面には1300万画素のカメラを搭載する。重量も512gと重くはなく、このあたりは一般的なスペックと言ったところ。背面の素材は樹脂だが滑りにくい表面処理で持ちやすい。なお製造関連のステッカーが貼られているが技適マークが表示されている。この技適は本体の設定画面からも確認でき、日本での利用を考えたモデルになっている。
本体サイズは246.8×161.75×9.1mm。側面のインターフェースは右側にUSB Type-CとmicroSDカードスロット、3.5mmヘッドフォン端子。左に電源ボタンとボリュームボタンが並ぶ。外部接続用のキーボード端子はなく、キーボードを使う際はBluetooth対応のものを使う設計になっている。
また、設定画面を見てもスタイラスに関するものはなく、専用スタイラスにも非対応だ。11型画面を使ったメディアビューワーとしての利用に向いているのだろう。
本体を持ってみると比較的軽量なことから、厚みもあまり気にならない。カバンの中に気軽に入れておき、電車の中など移動中に取り出して使うのもよさそうだ。チップセット性能はミドルレンジなのでゲーム利用よりも動画視聴に向いた端末だろうか。
なお、Widevine(著作権保護技術)のL1にも対応しており、Netflixなどを高画質で視聴できる。スピーカーはデュアルだが、タブレット本体全体を音響BOXとして使う設計のため音質は悪くない。
パッケージの中にはブック型のケースも同梱されている。このケースは最初からはめ込まれているので、パッケージから取り出しそのまますぐに外に持ち出すことができる。
ケースはスタンドにもなるので動画視聴時にも便利だ。また、フロントカメラを使ったちょっとしたビデオ通話も使いやすい。タブレットはケースの有無で使い勝手が大きく変わるので、標準装備はありがたいと感じられる。Bluetoothキーボードを接続すれば、ちょっとしたオフィス作業にも使えるだろう。
OSはAndroid 14で、独自のUIを搭載するDokeOS_P 4.0を採用している。プリインストールアプリはグーグルの標準アプリに加え、Blackviewのアプリが搭載されている。常駐して悪さをするようなアプリはなさそうで、素の状態に近いのでカスタマイズもしやすいだろう。
ベンチマークスコアはGeekbench 6でシングルコア378、マルチコアは1248。価格帯を考えるとこの程度というところだろう。
画面は2つのアプリを起動する分割モードに対応する。動画を見ながらSNSをチェックするなど、スマートフォンでは画面が狭くて使いにくいタスクも、ラクにこなせる。お店を検索しながら地図で場所をチェックするなど、大きい画面を活かした使い方ができるだろう。2つのアプリはサイズをある程度調節できる。
さらにPCモードも搭載している。デスクトップ画面表示が可能であり、アプリをウィンドウ表示して複数を同時に立ち上げることもできる。画面解像度が低いため、あまり多くのアプリを同時起動するのは現実的ではないが、電卓や手書きメモができる「マルチテックメモ」などを立ち上げ、ブラウザーで検索しながらメモを書いたり計算したり、という使い方もできる。それぞれのウィンドウはワンタッチで隠すこともできるので使いやすい。
1300万画素のカメラは、こちらも低価格なタブレットとして一般的な性能だろう。屋外と室内で撮影してみたが記録用として使うなら十分といったところ。
Blackviewの製品はAmazon.co.jpなどのほか、Aliexpressなど海外のECサイトからも購入可能だ。技適もあるので日本での使用も問題なく、Netflixの高画質ビデオ再生にも対応。スマートフォンのペアとして大画面端末を購入したい人にとって、選択肢に入る製品だ。