格安データ通信SIMを買って格安に使い倒す!

2025年のモバイル業界や格安SIMはSIMだけ乗り換えがさらに広がる? 値下げよりサービス内容や通信品質が問われる時代に (2/2)

文●正田拓也 編集● ASCII

2025年01月05日 12時00分

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回線自体はSIMだけ乗り換えがさらに増える

 スマートフォン側の買い替えサイクルが伸び、一般の消費者も中古機の購入を視野に入れるようになってくると、端末と回線の関係も変わってくる。一般ではまだまだ端末と回線はセットと考えている人が多いが、その認識も崩れていく。

格安SIM

キャリア側も「SIMだけ乗り換え」のユーザーが増えていることを認識し、キャンペーンも展開するようになってきた。こうした層が一気に広がることはあるだろうか

 そうなると、端末だけ購入する、回線だけ新しくするという例が増えるだろう。現在でも「SIMだけの加入で2万ポイント進呈」といったキャンペーンや広告は多く出されており、さらに「お試し割」が登場してくれば、さらにSIMだけの乗り換えは増えるはずだ。

 回線と端末がセットという固定観念がどれだけ崩れるかはわからないが、現実的にSIMロックがなくなって期間も経過していること、iPhoneなら対応周波数などでのデメリットがないことから、気づけば広がっているという素地はある。SIMだけ乗り換えする人が急に増える可能性は十分考えられる。

MVNOは体力差や各種キャンペーンへの取り組みの差が顕著に

 本連載の主な話題でもあるMVNOの格安SIMはどうなるか。残念ながら体力勝負になってきており、脱落者が出てきても不思議ではない。

 たとえば、加入時にスマートフォン購入割引などのキャンペーンを手厚くやっている事業者もあればそうでない事業者がハッキリしてきた。一方で、そういった割引を排除し、純粋に毎月の利用料で勝負しているところもある。

 具体的には、キャンペーンに積極的なのがIIJmio、散発的であるが加入時の回線割引を展開するのがmineo。そして、割引を排除して毎月の料金を下げている日本通信SIMやHISモバイルなどだ。ところが値下げも加入キャンペーンの両方をあまりしないMVNOも見られる。

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端末割引に引き続き積極的なのがIIJmio。SIMフリー機をお手頃価格で入手したいユーザーには強い味方だ

 いずれにせよ、これからはより体力勝負という度合いが高まっていくに違いない。3大キャリアとそのサブブランドが、月30GBで3000円というプランで攻勢をかけているうえに、加入時のポイントやさらに「お試し割」まで導入し始めると、特に対策を打たないMVNOでは勝ち目は限定的になる。

端末購入以外の質やサービスが求められる2025年

 端末の割引が少なくなり、SIMだけ乗り換えが広がると、回線品質やその品質に対した料金で勝負になる可能性がある。通信回線とは本来そういうものではあるのだが、今後はさらに重要視される傾向が進みそうだ。

 一方で、主要3大キャリアはユーザーの囲い込みに躍起だ。モバイル回線と固定回線だけでなく、電気/ガス/クレジットカードときて、コード決済という日常の買い物まで密接に関わった料金プランも登場し、トータルでのオトク感を出すようにしている。この流れは2025年も変わらないだろう。

 どのサービスを選べばオトクなのかは個々のユーザーの使い方次第だが、どちらにせよスマートフォン販売以外の項目が重視される、そんな時代へと変化が始まるという2025年と予想している。

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