祝! Apple Intelligence日本語対応! 楽しみな機能をおさらいしよう (1/2)

文●山本 敦 編集●ASCII

2025年04月01日 08時00分

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 アップル独自の生成モデルによる新しいAIサービス「Apple Intelligence」の日本語対応が始まりました。iPhoneをはじめとする対応デバイスに、4月1日早朝に正式リリースされた最新OSをダウンロードすると使えます。今回は、日本語対応のメリットを実感できそうなApple Intelligenceの注目ツールを紹介します。

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Apple Intelligenceのツール「ジェン文字」のテキストプロンプトも日本語入力に対応。思い通りの絵文字がサクサク作れるようになりそうです

「あったらうれしい」機能をかなえるApple Intelligence

 Apple Intelligenceは、2024年にアップルが世界開発者会議(WWDC 24)で発表して以来、10月末に米国英語版から先行導入が始まっていました。今回4月1日に正式版が公開されたiOS 18.4、iPadOS 18.4、macOS Sequoia 15.4と、あとから追加でApple Intelligence対応が発表された「Apple Vision Pro」のvisionOS 2.4から日本語対応が始まります。

 同じタイミングでフランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語(ブラジル)、スペイン語、韓国語、中国語(簡体字)と、シンガポールとインドのローカル英語にも対応する言語が広がりました。

 対応するデバイスは各カテゴリーによって異なります。たとえばiPhoneの場合、Apple Intelligenceのために設計されたiPhone 16ファミリーとiPhone 15 Pro/15 Pro Maxが含まれます。ほかのデバイスについてはアップルのウェブサイトにリストが公開されています(対応機種リスト)。

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iPhone 16ファミリーに新しく加わった「iPhone 16e」もApple Intelligenceに対応しています

 アップルが昨年秋に米国英語でサービスを開始してから、デバイスとApple Intelligenceの言語設定を米国英語にセットすると、日本にいながらApple Intelligenceが試せました。筆者も手もとの環境を整えて各ツールを試用してきましたが、Apple Intelligenceは、iPhoneやMacのユーザーが日常生活の中でよく使うアプリケーションやサービスの動線上に、とても自然に組み込まれていることを実感しました。

 「メール」の長いテキストを「要約」してくれる作文ツールの機能、あるいは「写真」アプリから“わが家のペットが芝生の上で遊んでいる写真”だけを検索できる機能など、「あったらうれしい」と思っていたOSの便利な機能の数々が、Apple Intelligenceによって実現しました。

ベータ版として発進。今後の進化にも期待!

 アップルはユーザーのプライバシー保護を重要な柱として位置付け、Apple Intelligenceも安全に使える環境を整えています。各ツールはデバイス上での処理(オンデバイス処理)を基本として、さらなる処理能力が求められる複雑なタスクについてはAppleシリコンにより、デバイスと同レベルのセキュリティーとプライバシーを確保する独自のPrivate Cloud Compute(クラウドサーバーベースの生成モデル)」を併用します。

 iPhoneを意図的にオフラインにしてしまうと使えなくなる機能もありますが、ユーザーは基本的にオンデバイスとクラウドのどちらで処理が行なわれているかを意識することなく、Apple Intelligenceの機能が使えます。

 Apple Intelligenceは昨年秋の米国英語版の公開後から現在まで、BETAバージョンのサービスとして提供されています。アップルは、今後もユーザーからのフィードバックに耳を傾けながら、まずは対応するデバイスからApple Intelligenceの使い勝手を日々ブラッシュアップする姿勢を示しています。

 筆者は当面「作文ツール」が搭載する、トーンや言葉づかいを選択してテキストを「書き変える」機能や、テキストプロンプトから指定したテキストを「○○文字前後に要約」できる機能の“日本語力”に注目しながら試してみたいと思います。

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プロンプトに入力した指定に合わせて、テキストの雰囲気を整えてくれる「作文ツール」の日本語対応にも要注目です

 アップルのOSに深く根ざし、iPhoneやMacなどの対応デバイスで最も心地よく使えるように最適化されたApple Intelligenceは、長くアップルのデバイスを愛用するユーザーにとっては心地よいものになりそうです。

 一方で、より俯瞰した視点から見れば、将来はAndroidやWindowsなどほかのプラットフォームにも一部の機能やツールを開放して、独自の生成モデルの実力を知らしめることも必要になるかもしれません。

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