フィーチャーフォンのスマート化!?
BlackBerryっぽいケータイが登場
3月上旬にバルセロナで開催された「MWC Barcelona 2025」に出展していた香港のFrogは、相手先ブランドでスマートフォンを展開するOEMやODM事業を主に手がけています。出展した製品を見た企業が自社ブランド品として注文するわけですね。この手の企業は多く出展していましたが、Frogのとある製品はほかでは見たこともない端末でした。小型のフリップ式ケータイですが、キーボードを見てください。
BlackBerryじゃん!
折りたたむと正方形になるフィーチャーフォンは、縦折り式のスマートフォンの影響を受けさまざまな製品が出ていますが、FrogはそこにQWERTYキーボードをつけちゃいました。もちろん従来通りのテンキーモデルもあるのですが、来場客の誰もが手にしていたのがBlackBerryスタイルのモデル。ここまで見た目がBlackBerryキーボードだと、欲しくなってしまいますね。
フリップスタイルでヒンジは途中でも止められるので、こんなスタイルで使うことも可能。ただし、製品そのものの作りは低価格フィーチャーフォンなので、それほど上質感はありません。とはいえ、このデザインはビジネスツールとしても使えそう。
QWERTYキーボードはそれぞれのキートップがフラットなので、キーの押しやすさはBlackBerryほどではありませんでした。しかし、キーを押してもキーパッド全体が沈んでしまったり、隣のキーも同時に押されてしまうということはありません。SNSにやや長文を入力する程度なら、十分できそうです。
フィーチャーフォンなのでアプリは大したものはありません。電話、SMS、カメラ、カレンダーなどなど。同期機能ももちろんありません。アプリをあとから入れる機能ももちろんないのです。端末そのものはきわめてベーシックな製品なのです。
ところが3×3で並ぶアイコンの中央に謎のアイコンがあります。雲を背景にケータイのあるこのアイコン、アプリ名は「Cloud Phone」です。
このCloud Phoneを起動してみます。するとネットワーク接続が始まります。4GまたはWi-Fiでネットアクセスが可能です。
1分くらいすると、画面にはYouTubeやインスタグラム、TikTokといったアプリのアイコンが並びました。ブース説明員によると「クラウドにあるアプリを動かすことができる」そうです。ただ、デモではここまでしか見れなかったので、実際にどの程度の解像度で動画が再生されるのか、通信速度に見合った再生ができるのか、などは不明です。
そして、このアプリの詳細についても説明員からはこれ以上のアナウンスはありませんでした。中国ではこの手のフィーチャーフォンアプリが結構流通しているのかもしれません。
フィーチャーフォンのスマート化として、KaiOSのようにスマートフォン機能を取り込んだOSもありますが、こちらの製品はそれとは異なり、Cloud Phoneアプリを通してAndroidアプリを動かすことができます。
ただし、この製品はFrog社が発売するものではなく、どこかの企業が製品化を望み、同社に注文して初めて世の中に出てきます。ぜひとも製品になったモデルを買って実際に使ってみたいところです。