山根博士の海外モバイル通信

スマホをやめると言ったな、アレはウソだ! 中国・MeizuがMWCでこっそり新型スマホを展示

文●山根康宏 編集●ASCII

2025年04月03日 12時00分

Meizu Note 22

 スマートフォンメーカーの「Meizu」(魅族)をご存じでしょうか? シャオミが現われる前までは「中国スマホの顔」であった同社も、今では自動車メーカーに買収され、傘下企業になっています。

 ハイエンドモデルを得意としていましたが、その姿もすっかり見られなくなってしまいました。ところが今でも定期的にスマートフォンを出しており、MWC Barcelona 2025にもブースをひっそりと構えていたのです。

MWC Barcelona 2025のMeizuブース

 Meizuは2024年に「スマホをやめてAIデバイスに専念する」と発表しました。ところがその後もスマートフォンを作り続けています。今のMeizu製スマートフォンは「AIスマートフォン」であり、ただのスマートフォンではない、といいうことなのです。

 スマートフォンから脱却した、まったく新しいデザインやUIを搭載する「新型AIデバイス」の開発は容易ではありませんから、これからも引き続きスマートフォン事業を継続してくのでしょう。なお、Meizuにはオリジナルキャラクターの「PANDAER」もいますが、これも立ち位置が不明。Meizuは迷走しています。

Meizuは迷走している

 ブースに展示していた最新モデル「Meizu Note 22」はグローバル向けに展開されるとのこと。中国向けには「Meizu 数字」のようにNoteなしのモデルが投入されています。Meizu Note 22のスペックはチップセットがMediaTekのHelio G99で、4Gモデルです。ディスプレーは6.78型、フロントカメラは3200万画素。

Helio G99搭載の4G上位モデル

 カメラはメインが1億800万画素とがんばった仕上げ。ですが、iPhoneのような背面デザインはかえって特徴がなく、本当にグローバルでこれを出すのか個人的には疑問に思えるレベルです。中国向けモデルはGalaxyに似ているものの、縦にカメラを並べたデザインがすっきりした印象を与えてくれました。

背面デザインは特徴がない

 バッテリーは5000mAh。おそらく新興国を攻めるのでしょうが、似たようなデザインの製品が多い中、どのように販売数を増やそうとするのか気になります。

この手の性能・デザイン製品は中小メーカーから多数出ている

 Meizuのスマートフォンはエントリーブランドとして「Mblu」というモデルもあります。これは中国では「魅族」の下位として「魅藍」というブランド名で展開していたネーミングを英語にしたもの。シャオミでいえばXiaomiに対するRedmi、といった感じです。Mbluは価格を武器に販売数を伸ばせる製品で、この「Mblu 22」はチップセットにUNISOC(型番不明)搭載のエントリー4G機です。ディスプレーは6.79型。

Mbule 22

 背面デザインはこちらの方がむしろ特徴を出せる、スクエア&ブラックなカメラ台座。シャオミの「Xiaomi 15」などに似ているものの、個性のないiPhoneデザインよりはるかにいいでしょう。カメラは1300万画素ときわめてベーシック。

1300万画素カメラ搭載のエントリー機

 メモリー構成も3GB+ストレージ64GBモデル、4GB+128GBモデルとかなりのローエンド。バッテリーは5000mAh。アフリカや中南米あたりがターゲットで、価格も100ドルを切るくらいかもしれません。

メモリーも少なく新興国で格安販売予定

 Mblu 22の上位モデル「Mblu 22 Pro」はHelio G81搭載でスペックはやや高め。ディスプレーサイズは同じ6.79型で、フロントカメラは800万画素。

Mblu 22 Pro

 背面は円形のカメラ台座。やはりこちらのほうがいいデザインですね。メインカメラは5000万画素なので、より実用的な製品です。バッテリーは5000mAhを搭載します。

カメラフォン風の背面デザイン

 Meizuのスマートフォンは中国国内では親会社でもある吉利汽車(Geely Auto)との連携販売もあるようですが、グローバルでは単独で他社との競争に挑まなくてはなりません。

 ミドルレンジ以下のモデルで値段勝負に出るのでしょうが、そのクラスの製品はシャオミですらインドで10機種以上を出すなど競争が激化しています。今回のスマートフォンはAI機能もなく、Meizuの海外展開がどうなるのか、気になるところです。

AIなしのスマートフォン、価格勝負に挑む

筆者紹介───山根康宏


 香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど取材の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から100万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1800台に達する。

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