アップルのワイヤレスヘッドホン「AirPods Max」の第2世代モデルが、4月初旬に公開されたソフトウェアアップデートにより、本体にケーブルを接続して有線のオーディオリスニングとハンズフリー通話に対応しました。
そこで今回は、AirPods Maxの新しい機能を上手に活用する方法を紹介します。
音質と機能の両方に「いいこと尽くし」
今回のアップデートの対象になるのはアップルが2024年9月に発売した、第2世代の「AirPods Max」です。バランスの取れた高解像なサウンド、高い遮音効果が得られるノイズキャンセリング、クリアな外音取り込み、そして360度全周囲からサウンドに包まれるような空間オーディオとダイナミックヘッドトラッキングによる没入体験など、多くの魅力を備えるAirPodsシリーズのハイエンドモデルです。
Apple Storeの販売価格が8万4800円と高価なワイヤレスヘッドホンですが、最近は若い音楽ファンを中心にAirPods Maxのユーザーが増加しています。
新しいAirPods Maxには以下2件の有線使用に関連するアップデートが実施されました。
【1】USBデジタルオーディオに対応
【2】USB-C/3.5mmオーディオケーブルに対応→様々なプレーヤー機器や電子楽器にも有線でつながる
AirPods Maxのファームウェア更新は、最新のOSを搭載するiPhone、iPad、Macとのワイヤレス接続中に自動で行なわれるので、ユーザーは気付いたら新機能が使えるようになっているはずです。最新のファームウェアは、バージョン「7E101」。AirPods Maxの設定から確認できます。
2020年の冬に発売されたLightning対応の初代AirPods Maxについては本アップデートの対象外です。そもそも初代のAirPods Maxも3.5mm出力を備えるオーディオ機器やPCなどに別売のLightning-3.5mmオーディオケーブルで接続して、アナログ音源を聴くことができます。有線リスニングについては第2世代のAirPods Maxがこのタイミングで追い付き、さらに初代モデルにはないデジタルオーディオ対応が加わったことが特筆されます。
USBオーディオは送り出し側のデバイスがアップル製品でなくても大丈夫。AndroidデバイスやWindows PCとの有線接続にも対応します。
今回筆者は最新バージョンのOSのアップデートしたiPhone 16 Pro、M4 iPad ProとM3 MacBook ProでAirPods MaxのUSBオーディオを検証しました。
さまざまなスマホ・タブレット・PCとUSB接続
iPhone、iPad、MacともにAirPods MaxをUSBケーブル(Type-C)で接続すると、OSレベルで常時USBオーディオが優先オーディオパスとして選ばれます。
この時にアップルデバイスの場合はUSBオーディオとBluetoothの接続が同時に維持されます。Bluetooth接続が継続することから、AirPods Maxの空間オーディオやダイナミックヘッドトラッキング、Siriなどの機能が引き続き使えるほか、パーソナライズされた空間オーディオも有効になります。
iPhone/iPadの「ミュージック」アプリで外部オーディオ機器のプロパティを確認すると、AirPods MaxがUSBオーディオでつながっていることが確認できます。Macの場合はコントロールセンターに「USBオーディオ」の表示が出ます。
iPhoneとAirPods MaxのBluetoothオーディオ接続を解除してしまうとサウンドが聴けなくなります。ところがMacの場合は振る舞いが少し異なっており、USBオーディオ単体で接続を維持したままステレオリスニングができました。AirPods Maxのマイク入力は無効になりますが、MacBookのマイクが使えるためビデオ通話には困りません。AirPods Max本体のボタンリモコンは通常通り使えます。
AndroidスマホはGoole Pixel 9aでApple Musicを再生してみたところ、USBオーディオだけでステレオ再生は楽しむことができました。Google Pixelは元からApple Musicのドルビーアトモスによる空間オーディオに対応していません。
Amazon Musicは、ドルビーアトモスの3D Musicコンテンツとして配信されている音源もUSBオーディオだけで聴けました。Androidは組み合わせるデバイスによってAirPods MaxのUSBオーディオの振る舞いが少しずつ変わりそうです。