4月14日に発表されたIDCの調査によれば、アップルは2025年第1四半期(1月〜3月)において、同社として過去最高の第1四半期出荷台数を記録した。出荷台数は5790万台に達し、前年同期の5260万台から約10%増加した。世界スマートフォン市場におけるアップルのシェアは17.5%から19.0%に拡大した。
背景にあるのは、米中間の貿易摩擦が再燃する中で、米国による中国製スマートフォンへの新たな関税発動を見越した先回りの在庫確保だ。アップルは特に米国市場向けに出荷を前倒しし、供給の混乱や価格上昇への備えを急いだ。結果として、需要自体の増加に加え、販売チャネルが在庫を確保しようとした動きも重なり、出荷台数が押し上げられたかたちだ。
一方で、中国市場での販売はやや伸び悩んでいる。2025年1月に中国政府が開始したスマートフォン購入に対する補助金制度では、6000人民元(約820ドル)未満の端末が対象となっているが、アップルの主力であるProモデルはこの対象から外れている。そのため、Xiaomi(シャオミ)やVivo(ヴィーヴォ)といった中国メーカーが販売を伸ばす中で、アップルは競争力を維持するのに苦戦している。