楽天モバイルとAST SpaceMobileは、低軌道通信衛星と市販のスマートフォンでの、直接通信によるビデオ通話に国内初で成功したと発表した。「Rakuten最強衛星サービス」と名付けられた本格的なサービス開始は2026年第4四半期を予定。その際はテキストメッセージや通話のみならず、高速ブロードバンドの提供も計画している。
ライバルのStarlinkよりずっと大きなアンテナを持つ通信衛星
高速インターネットも既存のスマホで利用可能になる予定
両社は2020年に戦略的パートナーシップを締結し、AST SpaceMobileの衛星通信サービスを国内独占で提供する契約を結んでいる。2022年には試験衛星の打ち上げ、2024年9月には商用の低軌道衛星「BlueBird」の打ち上げに成功するなど、順調な進展をアピールしていた。
今回の試験では、福島県内にゲートウェイ地球局を設置して、電波をBlueBirdに向けて発信。既存のスマートフォンと既存のプラチナバンドの周波数を用いて(正式サービスで用いる周波数はまだ未定)で、BlueBird経由で地球局と通信。ビデオ通話に成功した。
BlueBirdの強味としては、ライバルの低軌道衛星S社(Starlink?)と比べて、約36倍のアンテナサイズを持つ点。1基でカバーできる範囲が多いため、今後打ち上げを予定している合計50基の通信衛星で世界でサービスを提供できるという。

AST SpaceMobileの通信衛星の強味としてアンテナの大きさがある。地球局からの電波を反射・増幅しているという概念に近いので、通信衛星は上空を移動しているにも関わらず、ハンドオーバーがスムーズになるとする
なお、料金については「まだ悩んでいる」(楽天・三木谷氏)とのこと。また実際のサービス利用時は地上基地局か衛星基地局かをユーザー側は意識することなく、自動で切り替わるとのこと。
いち早く国内サービスエリア100%の世界を実現するのか。来年末のサービス開始に期待大だ。