モトローラの新型折りたたみスマホ「razr 60」「razr 60 Ultra」をクイックレビュー (1/2)

文●山根康宏 編集●ASCII

2025年04月27日 12時00分

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 モトローラは24日、アメリカ・ニューヨークでスマートフォン新製品「razr 60」と「razr 60 Ultra」の2機種を発表した。どちらも縦型の折りたたみモデルで、razr 60 UltraはモトローラのAI機能「moto ai」を利用できる専用ボタンも搭載する。なお、現時点での発売時期と日本への投入は未定だ。

7型ディスプレー搭載で質感の異なる4つのモデル
「razr 60 Ultra」

 razr 60 UltraはチップセットにSnapdragon 8 Eliteを搭載するハイスペックモデル。発表時点ではまだ一部のスペックは公開されていないため、本レビューでは公開情報のみを記載する。

Snapdragon 8 Eliteを搭載

 メインディスプレーは7型で、これまでのモデルの6.9型より大きくなった。ただし、本体サイズはほぼ変わっていないことから、ベゼル部分を薄くしてディスプレーを大きくしたようだ。リフレッシュレートは最大165Hz。フロントカメラは5000万画素へと高画質化された。ディスプレーをカバーする超薄型ガラスフィルムには新素材が採用され、折り目がより目立たなくなった。

ディスプレーは7型に変更、フロントカメラは5000万画素

 開いた状態で背面側を見ると、上半分にディスプレーが配置される独特のデザインになっている。アウトディスプレーのサイズは4型だ。写真ではやや見にくいがリアカメラは5000万画素が2つ並ぶデザインと踏襲。1つは広角、もう1つは超広角となっている。

アウトディスプレーは引き続き4型を搭載

 本体の右側にはボリュームボタン、電源ボタンを搭載する。指紋認証センサーについての説明はなかったが、前モデル同様に電源ボタン表面に搭載されていると考えられる。

本体右側のデザイン

 本体左側には前モデルまではSIMカードスロットがあったが、razr 60 Ultraにはなくなった。その代わりにボタンが1つ搭載されている。これはモトローラのAI機能「moto ai」を呼び出す専用ボタンだ。

左側にAIボタンを新たに搭載

 AIボタン搭載で追い出された格好になるSIMカードスロットは、本体の下部に配置される。中央のUSB Type-C端子の左右にスピーカーと一緒に並んでいるのがスロットだ。

本体下部にSIMカードスロット

 本体を閉じると4型ディスプレーがほぼ前面を覆っている。表面は縦折り式スマートフォンとして初のコーニングゴリラガラスセラミックでカバー。従来比10倍の耐落下性能をもつ。

本体を閉じる正方形のディスプレーを握っている感覚になる

 本体を閉じて左側から見ると、AIボタンはかなりヒンジ寄りに搭載されていることがわかる。本体の厚みはわずかに増しているとのこと。手に持ってみてもそのサイズ感の差はわからない程度だ。重量は若干増した。

閉じた状態でAIボタンの位置を見る

 ヒンジは前モデルより大きく強化された。チタン強化フレームを採用しており4倍の強度を実現しつつ、軽さも維持している。また、ヒンジ部分にはブラシフィルターを内蔵することで、折りたたみモデルながら防塵にも対応。razr 60シリーズはIP48の防水防塵対応となった。

ヒンジは強度を増しホコリの侵入も防ぐ

 カラーバリエーションは4色。本レビューで紹介したサテン風仕上げの「PANTONE Cabaret」、深みのある赤いレザー風仕上げの「PANTONE Rio Red」、アルカンターラ素材で深緑色の「PANTONE Scarab」、さらにFSC認証(森林認証制度)の木材を使った「PANTONE Mountain Trail」だ。それぞれ色合いが異なるだけではなく、手で持ったときの肌触りも大きく異なる。

色だけではなく質感も異なる4色

「moto ai」でrazr 60が身近なパートナーになる

 ディスプレーを閉じたままでアプリケーションをそのまま使えるのが、razr 60シリーズの大きな利点だ。razr 60 Ultraの4型ディスプレーは動画視聴や地図検索、SNSのタイムライン表示などさまざまな使い方ができる。カメラの重なる部分はデッドスペースではあるが、本体を片手で持ち指先で画面を快適に上下スクロールできるので、使い勝手は悪くない。

4型ディスプレーでアプリを動かせる

 また、TikTokやInstagramなど主要なアプリへのダイレクトショートカットの配置も可能になった。ウィジェットパネルも追加されたことで、本体を開かずとも多くのアプリや操作を快適に利用できる。

SNSのショートカットの配置も可能

 moto aiはrazr 60シリーズを強力かつ、身近なパーソナルアシスタントにする重要な機能だ。razr 60 Ultraのように専用ボタンがあればそこから即座に起動できるほか、画面に顔を向けて話しかけることでも起動できる。

moto aiをいつでもすぐに呼び出せる

 さらにグーグルのGemini、マイクロソフトのCopilot、Perplexityをプリインストール。ユーザーは自分の要求に対し最適なAIサービスをオンデバイスで利用できる。これに加えてクラウド+オンデバイスのハイブリッドAI機能からMeta LlamaやImagen 3などが利用できるという。

プリインストールアプリにCopilotやPerplextiyが見える

 moto aiは大きく2つの機能に分かれる。1つはクリエイティビティ系機能で、イメージスタジオは生成AIを使った画像作成で、グーグルの画像生成モデルを利用。リクエストに対し4つの画像を生成できる。プレイリストスタジオは気分やシチュエーションに応じて音楽のプレイリスト作成、Amazon Musicで開くことができる。

 もう1つのプロダクティビティ系機能は、録音会話の文字起こしや要約をする「Pay Attention、メモなどを写真やテキストで記憶し、後から呼び出せる「Remember」、通知を要約する「Catch Me Up」、ブラウジング中のページから最適なアクションを利用できる「コンテキストアクション」などが利用可能だ。

moto aiはクリエイティビティ機能とプロダクティビティ機能がある

イメージスタジオはかなりラフなスケッチからもイメージ通りの絵を生成

コンテキストアクションを使えば、レシピの閲覧中にPerplextiyを呼び出し追加検索ができる

 カメラについても簡単にテストした。razr 60 Ultraのカメラは広角5000万画素、超広角5000万画素を搭載する。前モデル「razr 50 Ultra」は広角+2倍望遠、前々モデルの「razr 40 Ultra」は広角+超広角だったので、2世代前の組み合わせに戻ったといえる。これは、5000万画素の広角カメラであれば、デジタルでの2倍撮影も十分高画質であり、望遠よりも使用頻度の高い超広角カメラに乗せ換えたのだろう。

広角+超広角のカメラ。2倍デジタル望遠も十分な画質だ

 本体を曲げて一昔のムービーカメラのようなスタイルで使う「カムコーダーモード」では、縦動画も撮れる。これによりSNS向けのショート動画もより撮りやすくなった。razr 60シリーズはほかにもL字型に本体をテーブルの上に置く「フレックビュースモード」や、V字型に曲げて置く「テントモード」など、多彩な撮影スタイルが選べる。

カムコーダーモードでショートビデオ向きの動画が撮れる

 こちらはrazr 60 Ultraの簡単なスペック、機能紹介だ。

razr 60 Ultraの簡単紹介

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