ソフトバンクは、8日に2025年3月期決算説明会を開催。その質疑応答でドコモ/auの実質的な料金値上げへの考えについて問われた、同社代表取締役 社長執行役員 兼 CEOの宮川潤一氏は「要らないものが付いてきて値上がりしたという構造はWin-Winではない」として、料金値上げや新プランについては両社にすぐ追従するのではなく、もう少し時間をかけて戦略を練りたいとした。
インフレでも下がってきたスマホ料金に違和感
値上げ自体は否定しなかったソフトバンク宮川社長
そのソフトバンク宮川社長だが、金額を変えずに通信量を増量するなど、インフレ下でも実質的な値下げが続いてきたスマホ料金について、「業界全体の大きな課題」と表現。「業界が続いてくためにはインフレ率に合わせる必要がある」「取引先の従業員のことまで考えると値上げしていくのが正しいんだろうなとは思っている」と料金値上げの方向性自体は否定していない。
一方で、実際の料金値上げや新料金プランについては「時期はいつがベストかを考えて行動したい」と慎重な見方をする。
そして「付加価値を付けながら、値上がりしたのか、余分に付いたのがオトクだったのか、余計にわかりづらい料金メニューを作るのが業界のパターンになってしまっている」と指摘。
どんな付加価値を加えるか それは今検討中
不要なものの追加や他のユーザーを犠牲にしてはWin-Winではない
「他社の商品についてどうこう言うつもりはないが」としつつも、「要らないものが付いてきて値上がりしたという構造だったり、優先接続ができるからと言いながら、ほかのお客さんが犠牲になるような形のものを付けた形で値上がりするならWin-Winではない」と、ドコモやauの新プランを取り込む形での、料金値上げや新プランの開始には否定的。
「どんな付加価値を付けるか。1つ2つ頭をよぎっているサービスはあるが、それはまだ語る時期ではない」「お客さんに納得してもらえるサービスはなんだろうと検討したうえで、もう少し時間を掛けてじっくりと戦略を練りたい」と、時期を見計らって対応をしていく考えを示した。