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最強級カメラスマホ6機種で撮り比べ! 日米と中韓で傾向が違う (1/2)

文●佐野正弘 編集●ASCII

2025年05月24日 12時00分

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最強クラスのカメラ性能を備えたハイエンドスマートフォン。今回は写真の6機種で撮影して比較してみる

ハイエンドモデルのカメラはそれぞれ個性が出る

 スマートフォンの最重要機能の1つと言っても過言ではないカメラ。それだけに多くのメーカーがカメラの開発にとても力を入れており、中でもハイエンドモデルはその傾向が顕著だ。

 実際、最近ではデジタルカメラを凌駕し、プロユースにも耐え得るとも言われるとの評価を受ける機種が増えている。一方でその値段は20万円近いものが増えるなど非常に高く、撮り比べできる場所も限られることから、各機種の違いや特徴を知り、どの機種のカメラが自分のニーズに合っているのかを見極めるのは難しい。

 そこで本記事では、2024年秋以降に発売された比較的新しいスマートフォンを対象に、実際に撮影して比べてみたいと思う(ロケはXperia 1 VII発売前なのでXperia 1 VIIは入っていない)。

 今回対象とする機種は以下の6機種であり、それぞれのカメラの特徴を簡単に記しておく(アルファベット順)。

AQUOS R9 Pro/シャープ

 1インチ超の大型イメージセンサーを採用し、ライカの監修を受けている点は従来と変わらないが、カメラの構成が広角・超広角・望遠の3眼に変化し、撮影しやすくなった。14chスペクトルセンサーの搭載で見たままの色味を再現できるのに加え、新たにシャッターボタンを搭載したのも大きなポイントだ。

「AQUOS R9 Pro」のカメラ。前機種「AQUOS R8 Pro」からデザインも変わり、カメラの数も増えたことで幅広いシーンでの撮影がしやすくなった

Galaxy S25 Ultra/サムスン電子

 広角・超広角に加え、光学3倍・5倍相当という2つの望遠カメラを搭載。望遠カメラを駆使して最大10倍までのロスレスズームが可能であるなど、ズーム性能に力が入れられているほか、超広角カメラも約5000万画素に進化。「Sペン」や「Galaxy AI」の活用による写真の加工も特徴だ

「Galaxy S25 Ultra」のカメラ。10倍までのロスレスズームができるなど、定評のあるズーム撮影に加え、超広角カメラも強化が図られている

iPhone 16 Pro Max/アップル

 従来のProシリーズ同様、広角・超広角・望遠カメラという3眼構成ながら、超広角カメラのイメージセンサーが4800万画素、そして望遠カメラが光学5倍相当に進化。撮影シーンの幅が広がっただけでなく、新しいインターフェース「カメラコントロール」による操作も大きな特徴となっている。

「iPhone 16 Pro Max」のカメラ。カメラのデザインや配置は従来と大きく変わらないが、超広角・望遠カメラの性能が大幅に向上している

OPPO Find X8/オッポ

 老舗カメラメーカーのハッセルブラッドが監修した約5000万画素の3眼カメラを搭載。望遠カメラには独自の「W型プリズム」を採用し、光学3倍相当の望遠を実現しながら薄さも両立しているうえ、200枚の高速連写ができる「ライトニングスナップ」といった機能も備えている。

約3年ぶりのハイエンドモデル国内投入となった「OPPO Find X8」のカメラ。ハッセルブラッドが監修し、薄型ながら光学3倍相当の望遠撮影可能なカメラも搭載している

Pixel 9 Pro/グーグル

 いずれも4800万画素超のイメージセンサーを採用した広角・超広角・望遠の3眼カメラと、グーグルが得意とするAI技術の活用により、暗い場所や望遠撮影などでも綺麗な写真を簡単に撮影できる。「編集マジック」などAIを活用した写真編集機能が充実しているのも大きなポイントだ。

「Pixel 9 Pro」のカメラ。ハード面での進化は少ないが、バー状だったデザインが変化し、グーグルが得意とするAIによる画像処理が一層強化されている

Xiaomi 15 Ultra/シャオミ

 ライカカメラと共同開発した4眼カメラを搭載しており、広角カメラには1インチセンサーを搭載するほか、望遠カメラの1つに2億画素超のイメージセンサーを採用。遠方の被写体をより綺麗に撮影できるようになったほか、別売りの「Photography Kit」でよりカメラらしい撮影も可能になる。

「Xiaomi 15 Ultra」のカメラ。ライカ監修の4眼カメラを搭載し、望遠カメラの1つに2億画素超のイメージセンサーを採用。遠方の被写体もより綺麗に撮影できるようになった

 なお、撮影比較は以下の4つのシーンで実施。6機種ともにOS、アプリを執筆時点で最新の状態にアップデートしたうえで、同じ場所・同じ時間帯で“標準のカメラアプリを初期設定”の状態で用い、撮影するというシンプルな方法を取っている。

4つの作例×6機種

・標準(等倍)
・超広角
・夜景
・10倍ズーム

標準撮影はいずれも高精細だが色合いに違い

 まずは標準状態で撮影した写真の作例を比較してみよう。各機種のメインとなる広角カメラを用いた撮影となることから、各社のカメラ性能と個性を確認できるだろう。

標準(等倍)で撮影した写真(AQUOS R9 Pro)

標準(等倍)で撮影した写真(Galaxy S25 Ultra)

標準(等倍)で撮影した写真(iPhone 16 Pro Max)

標準(等倍)で撮影した写真(OPPO Find X8)

標準(等倍)で撮影した写真(Pixel 9 Pro)

標準(等倍)で撮影した写真(Xiaomi 15 Ultra)

 撮影当日は曇天ということもあり、Pixel 9 Proがやや暗めに見えるのだが、総じて綺麗に撮影できている。いずれのカメラも性能が高く、ソフトウェア処理にも力を入れているだけに、格子や遠方の葉っぱなど、細かな部分のつぶれなどは生じておらず、色飛びも見られない。

 ただ、色合いには違いがあり、日米メーカーは自然な色合いを重視し画作りもソフトな傾向にあるのに対し、中韓メーカーは明るい色合いでくっきりした画作りを好むという従来の傾向は、これら6機種にも影響している。とりわけ色合いが強い花などはその傾向が強く、あくまで筆者の主観となるが、Galaxy S25 UltraやOPPO Find X8などは花の色合いが際立つ感がある。

 一方で、同じライカ監修のAQUOS R9 ProとXiaomi 15 Ultraは色合いや絵作りが比較的近い印象を受けるが、それでもはやり赤が強い花などは、Xiaomi 15 Ultraの方がより強い色合いとなっており、微妙な性格の違いを見て取ることができるだろう。

超広角でもゆがみなく高品質の撮影が可能

 続いて超広角カメラでの撮影写真の比較をしてみたい。こちらは機種によって超広角カメラの画角と倍率に違いがあり、同じ場所から撮影しているのだが、必ずしも同じ画角になるわけではないことをご了承頂きたい。

超広角で撮影した写真(AQUOS R9 Pro)

超広角で撮影した写真(Galaxy S25 Ultra)

超広角で撮影した写真(iPhone 16 Pro Max)

超広角で撮影した写真(OPPO Find X8)

超広角で撮影した写真(Pixel 9 Pro)

超広角で撮影した写真(Xiaomi 15 Ultra)

 超広角カメラで主に気になるのは側面の歪みだが、さすがハイエンドモデルだけあって、いずれのカメラも大きな歪みは見られない。OPPO Find X8の歪みが小さい印象があるが、そのぶん画角も狭いことは考慮する必要があるだろう。

 また最近のハイエンドモデルでは、超広角カメラに5000万画素クラスの高性能なものを採用するようになってきている。それゆえ各機種とも、広角カメラと画質や色合いなどの傾向は大きく変わらない。

 実際AQUOS R9 Proは比較的ソフト、OPPO Find X8などはシャープで明るい印象に仕上がっている。細部の表現はiPhone 16 Pro Maxがよりドライでくっきりしているぶん、表現に優れている感もあるが、どの機種も総じて悪くない印象だ。

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