えっ!? Nokiaブランドが復活して、Androidタブレットが登場

文●末岡洋子

2014年11月19日 09時00分

 Microsoftにデバイス事業売却後のNokiaが、初のNokiaブランドのAndroidタブレット「N1」を発表した。Nokiaブランドがカムバックすることになる。

突如登場したNokiaブランドのAndroidタブレット「Nokia N1」

MSに売却されたデバイス部門ではなく、
フィンランドに残った部隊がAndroidタブレットを開発

 フィンランドのNokia Technologiesは11月18日(フィンランド時間)、Androidタブレット「Nokia N1」を発表した。2015年初めに中国で提供を開始する。今年始めにデバイス部門をMicrosoftに売却した同社だが、Nokiaブランドの端末が戻ってくることになる。

 このN1はフィンランド・ヘルシンキの年次ベンチャーイベント「Slush」で発表された。このイベントでは2013年にNokiaのMeeGoチームが立ち上げたJollaが初めてのスマートフォンを発表したイベントでもある。

 Nokiaは今年の4月に54億ユーロでのMicrosoftにデバイスとサービス事業部の売却を完了し、Nokiaに残ったのは通信インフラのNokia Networks Solutions、地図サービスHERE、それにNokia Technologiesの3事業部となった。

 Nokia Technologiesは、研究開発を中心とする部門で最新技術を開発してライセンスするのを主な事業とする。Microsoftとの取引条件のもと、Nokiaは2016年までスマートフォンの製造はできない。そのためN1はNokiaが製造するのではなく、OEMにライセンスする形式をとる。Nokiaは提携OEMを明かしていないが、Financial TimesではFoxconn(ホンハイ)と報じている。

 Nokia N1は端末事業部を売却後では初の端末となり、初のNokiaブランドのAndroidタブレットでもある。特徴は予測エンジンを利用する直感的なユーザーインターフェース「Nokia Z Launcher」。学習機能を備え、ユーザーの利用から学び、時間と場所に合わせてユーザーの嗜好やスタイルにあったアプリケーションを予測するという。デモ動画では、画面の上に指でアルファベットを書く(スクリブル)とそのアルファベットで始まるアプリや楽曲が表示される様子がわかる。

Nokia Z Launcherの様子

 ユーザーインターフェースとならんで特徴とするのはデザイン。Nokiaが得意とするインダストリアルデザインで1枚のアルミニウム板を利用した。

 スペックは、アスペクト比4:3で画面解像度は2048×1536の7.9型ディスプレーを搭載した。OSは「Android 5.0 Lollipop」をベースとし、プロセッサは2.4GHz動作のIntel Atomを搭載。メモリーは2GB、ストレージは32GB。

 背面に1080p動画撮影に対応したオートフォーカス8メガピクセルカメラ、前面に5メガピクセルカメラを搭載した。イヤフォンやmicroUSB端子を備え、サイズは200.7×138.6×6.9mm、重量は318g。無線はWi-FiとBluetoothに対応、LTEなどのセルラー網はサポートしていない。色はナチュラルアルミニウムとグレイの2色展開。

 2015年第1四半期に中国で提供を開始する。税抜価格は245ドルとのこと。

 Microsoftはローエンド以外の携帯電話でNokiaブランドを廃止する計画を明かしており、今月に入りNokiaのロゴのない初の「Microsoft Lumia」がすでに発表されている(関連記事)。Nokia Technologiesの製品担当トップSebastian Nystrom氏は、「Nokiaファンをはじめ、適切なAndroidタブレットがないと思っていた人に向けたすばらしい製品」と表現している。Nystrom氏はNokiaがフィンランドDigiaに売却したQtチーム幹部を務めていた人物である。


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