iPad Pro、MacBook Air、Mac mini……アップル2018年10月新製品まとめ

アップルがMacBook Airに割高なリサイクルアルミを使うワケ (1/3)

文●松村太郎 @taromatsumura

2018年11月02日 09時00分

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 アップルは現地時間10月30日、米ニューヨーク・ブルックリンでスペシャルイベントを開催し、MacBook Air、Mac mini、iPad Pro、Apple Pencilを刷新しました。

 新製品についてはレビューを通じて詳しくお伝えします。今回はイベントがブルックリンで開かれた理由、そしてアップルがちりばめた重要な2つのメッセージについて考えていきましょう。

 クリエイティブと持続可能性についてです。

●ブルックリンで開催した意味

 アップルはカリフォルニア州クパティーノにApple Parkをオープンしました。キャンパス内には約1000人収容できるSteve Jobs Theaterがあり、2017年からはiPhoneを発表する9月のイベントや株主を集めたミーティングなどで利用していますが、昨年も今年も9月のイベントでしか使用していません。個人的にはもったいない感じもするのですが。

 アップルは3月にシカゴ、6月にサンノゼ(WWDC)、そして10月にニューヨークと、米国の都市でイベントを開催しています。

 開発者会議を開くサンノゼを除き、シカゴやニューヨーク・ブルックリンには、いわゆる「タウンスクエア」型にリモデルされたアイコニックなApple Storeがあります。今回もApple StoreにおけるToday At Appleの特別セッションをプレス向けに案内するなど、イベントと一体化した小売店活用のパターンが展開されました。

 シカゴでは教育がテーマでしたが、今回のブルックリンでは「クリエイティブ」がテーマ。いずれもiPadの新製品が関わるイベントでしたが、「価格を思いきり下げたiPadは教育に、A12X Bionicで驚異的な処理性能を追求したiPad Proはクリエイティブに」という目的性もより明確にしました。

 ブルックリンは、全米でも随一の文化・ファッション・食などの集積地かつ情報発信地となって長らく立ちます。クリエイティブというテーマをiPadに与える際、この土地が最もふさわしかったというわけです。

 また、タイミングもまた絶妙でした。10月15日からはロサンゼルスでクリエイティブの祭典Adobe MAXが開催され、iPad向けのPhotoshopがアナウンスされ、アップルのシニアバイスプレジデント、フィル・シラー氏が基調講演にサプライズ出演したばかり。

 今回のアップルのイベントでも、iPadに今後登場するクリエイティブアプリとしてアドビがPhotoshopのデモを披露しており、緊密なパートナーシップをアピールしました。

 アップルとアドビはデジタルクリエイティブの世界を切り拓いたパートナーとしては30年来の付き合いがあり、その関係性はMacからiPad Proに移って今もなお、より深まっていると言います。

 アドビはクリエイティブを万人に届けることをミッションに据え、アップルはコードとともにクリエイティブを急行くや日々の生活に取り入れる手助けをしようとしています。今ふたたび、この2社が連携している様子が明らかになったわけです。

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