Windows情報局ななふぉ出張所

アップルカードの裏に見えた戦略 (1/2)

文●山口健太

2019年03月28日 09時00分

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 3月25日、アップルがサンフランシスコで開催した発表イベントでは、独自のクレジットカード「Apple Card」などの新サービスが登場しました。

 「iPad mini」などハードウェアの製品はその前の週に発表しておくことで、25日のイベントでは新サービスにスポットライトが当たりました。その中で見えてきたのが、最近のアップルが取り組む「プライバシー重視」戦略です。

■2%還元の「Apple Card」が登場、日本は?

 Apple Cardは、アップルがゴールドマンサックスやMastercardと組んで発行するクレジットカードです。iPhoneに登録してApple Payで利用できるのはもちろん、チタン製の物理カードも発行することで、非接触決済に対応していない店舗でも使えます。

Apple Payによる非接触決済のほか、物理カードも発行する

 Apple Cardの利用明細は具体的な店舗名や利用場所とともに表示され、一目で把握できるとのこと。どこで使ったのか分かりやすくなるのはもちろん、カードの使いすぎを防ぐ効果もありそうです。

カードの利用明細が分かりやすい

 チタン製の物理カードには、カード番号や有効期限、サインの表示がありません。ICチップを搭載している以上、これらの重要な情報をカードに印字する必要性は、もはやないのではないかと思えてきます。

物理カードにカード番号やCVV、サインは表示されない

 Apple Cardだけのお得な仕組みとして、年会費や海外利用時の手数料などは無料。さらに2%のキャッシュバックを毎日受けられることから、高還元のカードとしても注目されています。

 米国では2019年夏に登場予定ですが、気になるのは日本上陸です。Apple Payが始まった際にはハワイまで銀行口座を作りに行ったこともありますが、国境を越えてクレジットカードを作ることはさすがに不可能です。

 日本ではiPhoneのシェアが特に高いことを考えれば、Apple Cardの海外展開の際には最優先で日本への対応を期待したいところです。

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