格安SIMにもある通話定額や端末補償、光回線セット割引

文●正田拓也 編集● ASCII編集部

2019年04月13日 12時00分

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 3大キャリアの分離プラン導入前の駆け込み大特価によって、3月は格安SIMの立場が危うくなるほどのお得な条件がたくさんあったが、4月に入った今は落ち着いて、サービスやスマートフォンをじっくり選べる状況になっている。

 そこで今回は、特徴的なサービスを展開しているMVNOの格安SIMを紹介したい。文中のオプション料金は各事業者が宣伝などで打ち出している金額に合わせ、消費税を足していない税別価格を表示している。

九州電力系のQTモバイルは、時間や回数が問われない国内通話定額オプションを用意している

通話定額は10分間が多く
完全定額や上位3件完全定額もある

 格安SIMといえば国内通話定額がなくて不便と言われた時代も過去にはあったが、相次ぐ通話定額オプションの開始で、その部分での不利はなくなった。一方で通話需要の減少もあってか、3大キャリア側も定額通話ナシのプランを再登場させるなど音声通話を巡る動きは変化している。

 LINEの通話機能を利用するなど、通常の電話番号を使った音声発信は激減している人も多いが、仕事で使うなど、電話番号を使った通話のニーズもまだまだある。

 まず、時間が限定された通話定額のオプションは、格安SIMでは1回10分以内が定額というタイプが主流。オプション料金も月850円前後なので、普通に8分間の通話を月3回以上、またはアプリを使った料金が半額になる通話であっても6回すれば、すでに元が取れている計算だ。

 そして、時間に関係なく無制限のかけ放題というオプションも一部で用意されている。QTモバイルの「無制限かけ放題」オプションは月額2500円と少し高額だが、通常の通話で1時間3分、アプリを利用した通話でも2時間5分でその金額に達してしまうため、それより長いならオトク。長電話が多い人にオススメだ。

 長電話をする通話先が実家の親くらい、といった感じで、3件までに限定されているなら、OCNモバイルONEの「トップ3かけ放題」オプションが月850円と安い。このオプションは上位3件あての通話は何分掛けてもずっと定額扱いになり、0円。この3件は事前設定するのではなく月間の上位3件に対して自動的に適用される。また、10分までの定額と上位3件の両方を掛け合わせた「かけ放題ダブル」(月額1300円)も用意される。

OCN モバイル ONEは一般的な「1回10分まで定額」に加えて、よく電話をかける3ヵ所の通話を定額にするというサービスも用意する。10分以上の通話は実家の親や職場だけというような人に便利

 なお、格安SIMの定額通話やアプリを用いた半額通話は、同じネットワーク内(ドコモ⇔ドコモ、など)でも、VoLTEの高音質通話にはならない。あのカッチリとした音質で話ができないのは残念だ。

端末補償は中古や自分で買ったものまで対象に

 毎日持ち歩くスマートフォンだけに、落下や水濡れに対応する端末補償制度がある。万が一、壊してしまった場合は安価に修理できたり、わずかな金額で新品交換できたりするため、3大キャリアではよく活用されているが、同種のオプションは格安SIMでも用意されている。

 格安SIMでは、セット販売する端末に対して補償をつける制度が楽天モバイルなど、いくつかの事業者で用意されているが、ユーザーが独自に購入した端末や、中古端末であっても補償されるメニューが用意されているケースもある。

 具体的には、イオンモバイル、NifMo、Nuroモバイル、BIGLOBEモバイル、mineo、LINEモバイルなど。月額料金は500~600円程度だが、補償内容や利用方法は事業者ごとに大きく違う。

契約する以前から利用していたスマホに対して補償をつけられる格安SIMも多い

 たとえば、BIGLOBEモバイルやmineoは、修理は無料だが交換は数千円の負担金がかかる。一方でLINEモバイルは修理も数千円の負担金が必要。修理交換回数も年間に2度までと限度があったり、AndroidとiPhoneで負担額に差を設けているところもある。また、修理交換時の上限金額もある。

 そして、持ち込み端末の登録方法も製造番号を登録する方法や、イオンモバイルのように実店舗に出向いて端末を確認してもらって加入するところもある。

 特に初回や2回目の修理が、完全に無料になるか有料になるかは負担額で大きな差になる。補償サービス目当ての加入の際は、よくよく内容を確認することが必要だ。

固定回線割引や複数回線割引、通信量シェアまで

 auやソフトバンクでは、対応した光ファイバーなどの固定回線に加入していると料金の割引などのサービスがあるが、格安SIMでも同様の制度はいくつかある。

 たとえば、OCN モバイル ONEは、OCNの光回線(OCN 光サービス)に加入していると、「OCN光モバイル割」としてOCN モバイル ONEの各回線が月200円割引となる。

OCNの光回線を使っていると月200円の割引

 また、BIGLOBEモバイルは、月額200円のベーシックコースにBIGLOBEモバイル料金がオプション料金という形で請求される仕組みのため、すでにBIGLOBEのプロバイダー契約があれば、ベーシックコースが二重で請求されることなく結果的に月200円引きとなる。これはBIGLOBEモバイルを複数契約しても同様だ。

 複数回線割引はほかにもあるが、通信量を複数枚のSIMでシェアという形も用意されている。このとき追加分のSIMは回線維持に相当する費用を払う。こうしたサービスはIIJmio、OCN モバイル ONE、BIGLOBEモバイルなどで行なわれているが、IIJmio、BIGLOBEモバイルではシェアの元回線は大きめの容量の契約をしなければならない点、OCN モバイル ONEはシェア料金が高めということあり、少ない容量で多くの回線(SIM)が欲しいというニーズにはあまり適していない。

非常用にデータ容量が極端に少ないプランもある

 ほとんど使うことはないが、いざというときにSIMは確保しておきたいという用途には、データ容量が少なくても維持費が安いプランが望ましい。

 nuroモバイルの「0 SIM」なら、データ回線で月間500MB未満は無料で維持できる、まったく使わないと自動解約になるほか、データ通信を使えば最大1600円かかる。

 また、b-mobileの「ジャストフィットSIM」は音声通話に対応した格安SIMで、データ量が1GB未満なら月額990円で維持できる。ただ、15GBまで段階的に費用が上がるので注意が必要だ(6GB/10GBまでの上限設定は可能)。

通信量に合わせて段階制で料金が変動する。1GBまでなら、音声SIMなのに月990円だ

 もともと低容量のプランではnuroモバイルの「お試しプラン」は200MBの高速で利用できる通信量付きでデータSIMなら月額300円、音声通話付きなら1000円となる。楽天モバイルは「組み合わせプラン」のなかに高速データ容量がまっったくない「ベーシックプラン」がデータ回線で月額525円、音声通話付きなら月額1250円で用意される。

 低容量プランで注目なのが、LINEモバイルの「LINEフリー」プラン。データ回線なら1GBの通信量があって月500円、しかも、SMSなしでもLINEアカウントが作成できて、LINEのサービスを使っているぶんは通信量がカウントされないというプランだ。適当なスマートフォンが用意でき、LINEだけは存分に使いたいというニーズにはぴったりだ。

月1GBのデータ通信にLINEの主要機能がカウントフリー

そのほか、特殊な利用法に対応するプランもある

 格安SIMにはかなり特殊なプランも存在する。音声通話の電話番号を極めて短い期間使いたいニーズにはb-mobileの「START SIM」という短期解約時の違約金がないプランが存在する。短期解約でも違約金がないのはmineoやイオンモバイルも同様だが、短期でMNPで転出しても、費用が高額にならないのがSTART SIMの特徴である。

b-mobileが新たに始めた「START SIM」は解約手数料不要が目玉

 また、IoT機器に適したプランもある。格安SIMとは言えないが、個人が気軽に実験に利用するにはIIJmioにIoT向けのMVNOサービスが用意される。月額100MBで年間2400円の「いちねんプラン」や、データをネットに上げるために有利な「上り高速プラン」が用意され、通常の格安SIMのデータ回線よりも安く利用できる。監視カメラをLTE回線に接続する場合にも便利そうだ。

安さだけでなく、特徴的なサービスでも選ぶ時代

 以上のようにMVNOである格安SIMは、料金もさることながら、オプションサービスや特徴的なサービスで選ぶ時代になっている。回線速度ももちろん重要だが、オプションサービスや特徴的なサービスのために回線を選ぶということもあっていい。

 今後、3大キャリアから分離プランとして月額費用が安くなったプランが登場する見込みだが、MVNOの格安SIMのなかには特徴的なサービスで対抗するところもあるかもしれない。新たなサービスの登場に期待したい。

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