アップル新型iPhoneこうなる 情報そろいはじめる

文●松村太郎 @taromatsumura

2019年07月31日 09時00分

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 毎年iPhoneは9月に発売されます。そして日程についても、ある程度想像することができます。

 近年は「9月第2週」あるいは「9月10日前後」に発表日が設定されています。

・iPhone 7──2016年9月8日木曜日
・iPhone XとiPhone 8──2017年9月13日水曜日
・iPhone XSとiPhone XR──2018年9月12日水曜日

 今年のカレンダーを見てみると、9月第2週は9月9日から13日まで。昨年のように9月11日を避けるなら、9月10日(火)や9月12日(木)の開催になるのではないか、と考えられます。

 また発売は9月下旬の金曜日が例年の設定となっています。そのため、2019年の場合は9月20日もしくは9月27日。9月末はアップルの第4四半期末にあたり、新型iPhoneの販売を少し含めるとすると、9月20日の発売が有力になるのではないか、と思います。

●今年も3モデル? ラインアップに残るモデルは?

 iPhoneの話題は発売前からかなり正確なレベルで「リーク」されていきます。今年も既に3Dデータや、それに基づいて作られたケースなどが中国で販売されています。

 これらの情報から見ると、2018年と同じように、有機ELモデル2サイズ、液晶モデル1サイズの3モデル構成で登場することになりそうです。

 新モデルの話をする前に、発売後のラインアップがどうなるのか、という点に注目してみます。

 iPhone X以降、新モデルの価格は999ドルからと一気に高騰しました。749ドルからとなるiPhone XRが昨年登場しましたが、それまで長らく649ドルからだったiPhoneの価格が上昇したことに失望する声は多かったのです。

 その一方、アップル、あえて古いチップを搭載したiPhoneを作ってこなかったのも事実。その上で、ホームボタン搭載iPhoneは、新モデルが登場すると、それまで販売していたモデルの価格を下げてラインアップに残すという流れを続けてきました。

 しかしiPhone XSが登場した2018年、それまで販売していたiPhone Xはラインアップから消え、有機ELモデルは完全にiPhone XSに置き換えられてしまいました。

 パネル供給の問題は大いに関係していると思いますが、これまでの販売方式に変化が生じていることから、今後どんなパターンになっていくのかという傾向を読み取ることができるか、注目しています。

 たとえば今年、液晶ディスプレーとFace IDを備えるiPhone XRがラインアップに残る、というアイデアはどうでしょうか。現在749ドルから販売されているモデルから100ドル値下げして649ドルで販売されるようになると、魅力も増すのではないかというわけです。

●3カメラに期待される効能とは

 さて、iPhoneの2019年モデルに期待されている進化として、3つのカメラ(トリプルカメラ)を備える点が挙げられます。現在はカメラが縦に並んでおり、片方が広角、もう片方は望遠という構成でしたが、ここにもう1つのカメラが加わるのではないか、という予想です。

 トリプルカメラを搭載しているスマートフォンは既にいくつも登場していますが、3つ目のカメラには白黒のセンサーを備えるパターンが見られます。2つのカラーセンサーに加えて、白黒センサーを加えることで、被写体や風景の濃淡をより細かくデータ化し、補正に生かそうというアイデアです。

 アップルもセンサーの数を増やせば同じことができるようになりますが、それでは他社に追いついたに過ぎず、スマートフォンのキーとなる機能の欠点を補うだけで終わってしまいます。

 そこで、3つのカメラでできることをもっと掘り下げる必要がありそうです。Bloombergは2019年5月、3つ目のカメラについて、超広角レンズを備えると予想しています

 現在のiPhone XSのカメラは、35mm換算で26mmの広角レンズと、52mmの望遠レンズを備えていました。さらに広角のレンズを備えるということは、16mmや18mmクラスになるのではないか、と考えられます。

 これによって、画角を自由に調節したり、ARの空間認識をより素早く正確に実行する効果などが期待できます。

●A13チップはより強力に

 アップルは2010年モデルのiPhone 4に自社設計のA4チップを用意しました。当時45nmプロセスで製造しはじめましたが、2018年モデルのiPhone XSに採用されたA12 Bionicは7nmプロセス。すでに1/6以上の細かさにまでスマホの心臓部は進歩してきました。

 新参者でありながら、A7ではスマホ向け初の64ビットチップ搭載にいたり、処理能力だけでなく消費電力の面でも有利であることから、デバイスのディスプレーサイズを拡大しすぎることなく、高い処理能力とバッテリー持続時間を維持することができています。

 加えて、iPhoneの体験に必要な機能や、他社のアドバンテージを取れる性能を、チップ価格の点ではコスト度外視で組み込むことができる点も、アップルのiPhoneが比較的長い期間、パフォーマンス面で有意な戦いを展開できる要素となっています。

 2019年に登場するiPhoneに搭載するチップは、順当に行けばA13になるとみられます。

 どんな性能が向上するのかなどはまだ明らかになっていませんが、映像処理、リアルタイムのグラフィックス処理を強化して、人の切り抜きに対応するようになるARKit 3を活用したARアプリ体験を向上させることができるようになるのではないか、と期待しています。

●大きな変化は、やはり2020年か?

 今のところ、2019年モデルのiPhoneでの5G対応はしない、との見方が優勢です。つい最近までアップルはクアルコムと係争しており、60億ドルでの和解にこぎ着けたばかり(編註:額面はUBS証券アナリストの推測)。直近ではインテルを買収していますが、これも今年中に5G対応iPhoneを登場させる根拠として採用できるものではありません。

 2020年のiPhoneでは、プロセッサについても、世界初の5nmプロセスに成功するチップが採用されるとみられており、性能向上や省電力化などのメリットがより大きくなるとみられています。

 やはり、技術的な側面での大きな進化は2020年にもたらされるという見方が大勢を占めています。そうした中、カメラのトリプル化などを通じ、いかに今年のiPhoneが楽しい体験かを、アップルがどのように伝えるのか、注目しています。


筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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