HTCは2月26日、「Mobile World Congress 2012」の開幕前夜にプレス発表会を開き、新世代のスマートフォンブランド「HTC One」およびHTC Oneブランド端末の3機種を発表した。タブレットを含め6機種を発表した昨年と比べると、今年は数を絞り機能や品質にこだわった形で、ハイエンド寄りで差別化を図ろうとする戦略が見られた。
数字が端末の画面に入ったティーザーをFacebookで展開していたHTCだが、5でスタートした数字は毎日カウントダウンし、発表当日に数字はゼロではなく「One」となった。
HTC Oneは同社の新しいフラッグシップ端末となる。ステージに立ったHTCのCEO、Peter Chou氏は、「電話で、カメラで、音楽で必要な1台」とコンセプトを説明した。HTCはこのところSamsungに押されており、端末の概観が似ていることなども課題とされていた。「HTCを新しいレベルに」とChou氏が語ったように、HTC Oneは同社にとって巻き返しを図る重要なプロダクツとなる。
端末は「X」「S」「V」の3台
いずれもAndroid 4.0の上にHTC Senseを搭載
では具体的に端末を見ていこう。この日発表したのは「HTC One X」(開発コード「Endeaver」)、「HTC One S」(同「Ville」)、「HTC One V」(同「Primo」)の3機種。OSはすべてAndroid 4.0で、そこに独自UIの最新版である「HTC Sense 4」を載せている。
最上位のHTC One Xは4.7型HDディスプレーに
Tegra 3によるクアッドコア
まず最上位モデルが“X”で、Nvidia製のクアッドコアCPU「Tegra 3」を採用。動作クロックは1.5GHz。4.7型のHDディスプレーを搭載する。内蔵ストレージは32GBでRAMは1GB。カメラは裏面照射型の800万画素タイプ。また、XにはLTE版の“XL”も用意される予定だ。
上から2番目の「HTC One S」も1.5GHzデュアルコアに
HTC Oneの特徴的な機能はすべて搭載
“S”には1.5GHz動作のデュアルコアの第4世代Snapdragonを搭載、RAMは1GBでメモリは16GB。ディスプレーは4.3型で画面解像度は540×960ドット。CPUと画面サイズ以外ではデザインも含めて比較的似通っている。
HTC Oneの中ではエントリークラスになるも
特徴的な機能は共通で利用できる「HTC One V」
“V”は3台の中ではエントリーモデルとなり、1GHzのシングルコアプロセッサー、RAM 512MB、カメラも500万画素(裏面照射型)である。ただし、F値2.0のレンズや高速撮影などは共通。本体下部の出っ張りのようなカーブはもともとからのHTC製端末のイメージを強く持っている。
HTC One X | HTC One S | HTC One V | |
---|---|---|---|
ディスプレー | 4.7型 | 4.3型 | 3.7型 |
画面解像度 | 720×1280ドット | 540×960ドット | 480×800ドット |
サイズ | 69.9×134.6×8.9mm | 65×130.9×7.8mm | 59.7×120.3×9.24mm |
重量 | 130g | 119.5g | 115g |
CPU | Tegra 3 1.5GHz (クアッドコア) |
Snapdragon 1.5GHz (デュアルコア) |
1GHz (シングルコア) |
OS | Android 4.0 | ||
カメラ画素数 | リア:約800万画素CMOS(裏面照射型)/イン:約130万画素 | 約500万画素CMOS(裏面照射型) | |
バッテリー容量 | 1800mAh | 1650mAh | 1500mAh |