マイクセッティングの細かな違いもきちんと再現するiLoud
今回スピーカーとして使用したIK MultimediaのiLoudにも触れておきましょう。
iLoudは最大40Wの出力が可能なBluetooth対応スピーカー。全体のサイズは幅250×奥行き60×高さ160mm、重さはわずか約1.3kgと成人男性なら片手で掴んでラクラク持てるサイズ・重量です。
このコンパクトなボディーに3インチのウーファーを2基、0.75インチのツイーターを2基搭載したステレオ仕様。小さく軽量なスピーカーキャビネットとなると、低音の軽さを心配してしまうところですが、iLoudはその名のとおり重量感のあるラウドな低音もきっちり再生してくれます。
BluetoothでのリンクはバックパネルのBluetooth Pairingボタンを押すだけ、と非常に簡単。専用アダプターで内部バッテリーへの充電が可能で、フル充電時は通常使用ならば10時間、40Wの最大音量をキープしても3時間使用可能。
サウンドの特性はオーディオリスニングにも適した非常にフラットな作りなので、AmpliTubeのキャビネットシミュレーションやマイクセッティングの細かな違いもきちんと再現してくれます。
軽量コンパクトかつ長時間使用も問題なくこなせる強力なバッテリーを搭載していますから、屋外での使用にも適していると思います。
バックパネルには通常のInputと別にGUITAR/MIC用インプットジャックが用意されています。ここには内蔵式のiRig回路が備わっており、ギターやマイクを接続し、iPad/iPhoneのヘッドフォンアウトから専用のケーブルで接続することで、オーディオインターフェースなしでAmpliTubeやVOCALIVEといったアプリを使用可能。ただ、iRig HDやiRig PROなどのインターフェースを通してAmplitubeを使用し、通常のステレオケーブルでiPadのヘッドフォンアウト経由でiLoudに戻したほうが圧倒的にノイズが少ないです。
3万円台(Amazon価格で3万3616円)で手に入るポータブルアンプとしてはサウンドもよく、コンパクトなので配置場所に困ることがない。さらに軽量な上に別売りの専用ケースがあり持ち運びもラクと、とても魅力的な製品だと思います。
話をアプリに戻しますが、AmpliTube Orangeはマーシャルやフェンダーといった定番とは一味違った魅力を持つOrangeを手軽にアプリで楽しめました。よりマニアックなサウンドメイクを求める方にぜひ試して欲しいと思います。
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藤村 亮(ふじむら りょう)
1981年生まれ、Ibanez製7弦ギターを手に世界を渡り歩くロックミュージシャン。2006年にバンド"AciD FLavoR"の7弦ギタリストとしてメジャーデビュー。2008年よりベルギーのインディーズレーベルと契約し、"Ryo Fujimura"としてソロ活動を開始。ヨーロッパ最大の日本文化イベント"JapanExpo"や各国のJ-Musicイベントにゲスト参加した。2012年からは活動の幅をメキシコにも広げ、3度のライブツアーを敢行。さらに、2013年11月にはヨーロッパツアーを終え、2014年1月1日から一日一曲アップロード企画「Daily Sound Scape」をSoundcloud上で開始。