市内はSIMバブルに沸いていた
今回はミャンマーの中でも最大の商業都市であるヤンゴンのみに滞在したが、2年前と大きく違う点は街中でのSIMの取り扱い。ミャンマー国内で展開している3キャリアの広告は数多くあり、ショップや露店でのSIMの販売も行なわれるなど、さながらSIMバブルといった様相だ。
ミャンマーには日本的なキャリアショップはほとんどなく、SIMの販売は小売店が担当しているのが一般的。唯一といえるMPTの直営店がヤンゴン中央郵便局にオープンしたばかりだが、こちらも大盛況(関連記事)。
ヤンゴン中央郵便局のMPT直営店が混雑しているのは、街中の小売店よりも安く買えるためだ。街中のショップや露店ではMPTのSIMは6500チャット(約740円)が相場なのに対し、直営店での正規価格は1500チャット(約170円)。毎日一定数しか販売していないため、毎朝行列ができるほどの人気だ。
今回は時間がなく実際に使ったのはOoredooだけだが、SIMを販売していた店員の説明によると、エリアの広さはMPTが断トツで、地方に行くならMPT。データ通信を使うならOoredooが安定して速く、telenorは安さがウリとのこと。
またMPTはパケットパックがなく、1分あたり2チャット(約0.2円)の従量制のみ。telenorにはOoredooと同じような容量単位のパケットパックが用意されている。
ケータイを飛び越して、最初からスマホが大ブーム
SIMが簡単に買えるようになったため、使用する端末も人気商品となっているようで、2年前に訪問したときよりも確実にケータイを扱うショップが増えていた。
ほかの東南アジア諸国と違うのは、フィーチャーフォンの販売が少ないこと。ざっと見たところ、店頭に展示してある8割がスマホで残り2割がフィーチャーフォンなどといった感じ。
これは価格差が小さいためで、フィーチャーフォンが2万チャット(約2270円)から3万チャット(約3400円)で販売しているのに対して、俗に「山寨機」と呼ばれる中国の格安スマホが5万チャット(約5670円)程度から手に入れられるため。
地方では3Gのエリア展開が広まっていないことと、電気のない家庭も多いこともあり、フィーチャーフォンのニーズ自体はあるものの、都市部のヤンゴンではスマホが大人気。若者から大人までスマホを使っている姿を街中でよく見かけた。ほかの東南アジア諸国のようにフィーチャーフォンからスマホへという段階を経ずに、いきなり最初のケータイがスマホという人が多いようだ。
モバイルショップの店員などに聞いてみたところ、人気なのはファーウェイとサムスン。ソニーモバイルやLGはあまり多くなく、店頭ではOPPOやVivo、KENBOといった中国メーカーが大きなスペースを使って販売されていた。
(次ページでは、「通信は発展したが街は変わらず素朴なミャンマー」)