SIMが簡単に入手可能! ミャンマーの通信環境は劇的に変化 (2/3)

文●中山智

2014年11月28日 11時00分

市内はSIMバブルに沸いていた

 今回はミャンマーの中でも最大の商業都市であるヤンゴンのみに滞在したが、2年前と大きく違う点は街中でのSIMの取り扱い。ミャンマー国内で展開している3キャリアの広告は数多くあり、ショップや露店でのSIMの販売も行なわれるなど、さながらSIMバブルといった様相だ。

市内では看板広告のほか、バスや鉄道のラッピング、露店用のパラソルなど、いたるところで通信キャリアの広告が目に入る

SIMの露店販売。何人もの人が立ち止まり、実際に購入していく人も多い

 ミャンマーには日本的なキャリアショップはほとんどなく、SIMの販売は小売店が担当しているのが一般的。唯一といえるMPTの直営店がヤンゴン中央郵便局にオープンしたばかりだが、こちらも大盛況(関連記事)。

ヤンゴン市内にある中央郵便局。ここにMPTのキャリアショップが11月にオープン

朝9時にオープンだが、10時に行ったときにはすでに売り切れだったが、それでも人だかり

 ヤンゴン中央郵便局のMPT直営店が混雑しているのは、街中の小売店よりも安く買えるためだ。街中のショップや露店ではMPTのSIMは6500チャット(約740円)が相場なのに対し、直営店での正規価格は1500チャット(約170円)。毎日一定数しか販売していないため、毎朝行列ができるほどの人気だ。

 今回は時間がなく実際に使ったのはOoredooだけだが、SIMを販売していた店員の説明によると、エリアの広さはMPTが断トツで、地方に行くならMPT。データ通信を使うならOoredooが安定して速く、telenorは安さがウリとのこと。

 またMPTはパケットパックがなく、1分あたり2チャット(約0.2円)の従量制のみ。telenorにはOoredooと同じような容量単位のパケットパックが用意されている。

tetenorの1GBプランは6600チャット(約750円)と、Ooredooよりも若干安い

ケータイを飛び越して、最初からスマホが大ブーム

 SIMが簡単に買えるようになったため、使用する端末も人気商品となっているようで、2年前に訪問したときよりも確実にケータイを扱うショップが増えていた。

ヤンゴン中央駅南のエリアにはあちこちにモバイルショップが建ち並ぶ

店舗ではなく露店でスマホを販売している人も

 ほかの東南アジア諸国と違うのは、フィーチャーフォンの販売が少ないこと。ざっと見たところ、店頭に展示してある8割がスマホで残り2割がフィーチャーフォンなどといった感じ。

 これは価格差が小さいためで、フィーチャーフォンが2万チャット(約2270円)から3万チャット(約3400円)で販売しているのに対して、俗に「山寨機」と呼ばれる中国の格安スマホが5万チャット(約5670円)程度から手に入れられるため。

日本ではあまりなじみのない、中国製のメーカーや端末が大量に流れ込んでいる

フィーチャーフォンも販売しているが量は少ない

 地方では3Gのエリア展開が広まっていないことと、電気のない家庭も多いこともあり、フィーチャーフォンのニーズ自体はあるものの、都市部のヤンゴンではスマホが大人気。若者から大人までスマホを使っている姿を街中でよく見かけた。ほかの東南アジア諸国のようにフィーチャーフォンからスマホへという段階を経ずに、いきなり最初のケータイがスマホという人が多いようだ。

ヤンゴン市内ではスマホを持っている人が多く、フィーチャーフォンで通話している人はあまり見かけなかった

 モバイルショップの店員などに聞いてみたところ、人気なのはファーウェイとサムスン。ソニーモバイルやLGはあまり多くなく、店頭ではOPPOやVivo、KENBOといった中国メーカーが大きなスペースを使って販売されていた。

サムスンは専門店も多い。イオンと提携してローン販売も行なっていた

ちなみにiPhoneはまったく見かけず、唯一あったのはこの張り紙くらい


(次ページでは、「通信は発展したが街は変わらず素朴なミャンマー」)

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