AirPlayは「逆方向対応」になる?
オーディオ/ビデオをワイヤレスでストリーミング配信する技術「AirPlay」を巡り、新しい情報が入ってきた。米国特許商標庁から、AirPlayの新仕様とおぼしき技術に対し特許が与えられているのだ(U.S. Patent:8,918,822)。
このドキュメントを読むと、ひとつの事実が浮かび上がってくる。それは、「固定ディスプレイ(Apple TVもしくは相当品)に表示されるコンテンツをポータブルデバイス(iOSデバイス)に送信すること」。従来のAirPlayはiOSデバイスからApple TVへのストリーミング配信だったから、位置関係が逆転した「逆AirPlay」とでも言えばわかりやすいだろうか。
通信は従来どおりIEEE 802.11ベースとのことで、前提として互換性維持もあるだろうから、伝送プロトコルにRTPを使うなど基盤技術は従来のものを引き継ぐと考えられる。しかし、従来のAirPlayのように1対1の通信だけではなく、「1対多」にも対応するところがポイントだ。
もうひとつのポイントは、コンテンツのミラーリングではなく一種のルーティングになることだ。再生位置などの情報が確認できると、元のストリームはApple TVを経由せず、直接クライアント(iOSデバイス)に配信されるようになるという。当初AirPlayミラーリングはゲームでの活用が期待されたが、今回特許を得た技術はゲームとは関係ないようで、HuluなどのVODサービスを屋内のどの位置からも再生可能にするものらしい。
製品化時期はまったく不明だが、ひとつ考えられるのは「Android搭載テレビ」が発売される頃だろうか。Googleは「Chromecast」などテレビ関連製品をコンスタントに発表しており、その方面におけるプレゼンスは大きく、Appleとしても意識しているはず。とりあえずは来年の5月、6月あたりを期待しよう。