「AQUOS K SHF31」は、確かにイイ
編集部: 深澤さん自身が「AQUOS K SHF31」を実際に触った感想は?
深澤: 液晶ディスプレイのタッチ機能を捨てたのは、本当にいいなと思います。片手で持ったときに、指が画面が届くように手を移動させて無理矢理操作しようとしたり、もう片方の手を使ったりというのは、やっぱり無駄なんですよ。10キー部分で制御するというのは、確かにイイ。
フィーチャーフォンの良さって、表示部と操作部が分かれていて、物理的なキーで使いたい機能をすぐに呼び出せることですよね。「AQUOS K SHF31」だと、10キー部分をなぞるとタッチパネルみたいに操作できる「タッチクルーザーEX」もあって、かなりいろんなことができて感動した。すっごく便利。
相当な機械オンチという方でも、スマートフォンの大海原のような大画面で指をさまよわせることに比べたら、この10キー部分だけで制御できるので、そんなに難しく思わない気がしますね。
画面サイズも、3.4型と聞いた時には小さいように思っていたけど、実際に見ると十分広く感じる(解像度は540×960ドット)。(画素密度が)約328ppiもあって高精細で見やすいですしね。老眼世代の方でも大丈夫なんじゃないかっていう。
中身も、クアッドコア(1.2GHz)のCPUを載せていて、圧倒的に速いのも良い。フィーチャーフォンを使い続けていて、低スペックなものとか、反応が鈍いものを使いたくない方にも良いと思います。
連続待受時間が約470時間(4G LTE)、連続通話時間が約620分で、バッテリーが持つのもフィーチャーフォンのユーザーには絶対重要ですよ。
独自の進化は、本来面白いもののはず
「日フォン」(にふぉん)と名付けたワケ
編集部: 「AQUOS K SHF31」を「日フォン」と呼んだ理由は?
深澤: “ガラホ”(ガラパゴスケータイ+スマホ)って、もう、意味が分からなくないですか? ガラケー、ガラホと言葉を並べてみると、イマイチ違いがわかりにくいというか。ガラパゴスという言葉は、別に悪い意味の言葉ではないですけど、マイナスのイメージがついてしまっていますよね。“草食男子”も元々はホメ言葉として生み出したのに、草食男子をディスる(disる)ための使い方をされていて、ガラパゴスという言葉も似たようなところがあります。
独自の進化って、やっぱり本来面白いものだと思うんですよ。しかも「AQUOS K SHF31」だと、前に進むだけのストレートな進化ではなくて、ちょっとだけ、1歩だけ振り返って、フィーチャーフォン、スマートフォンとも違う立ち位置、三角形を形作れるような位置を見つけたなと思っていて。とても日本っぽい印象があって、それが「日フォン」の由来ですね。
「今までを捨てて、次に行く」というのがスマートフォンだと思うんですけど、フィーチャーフォンはフィーチャーフォンで、デザインや機能が独自に完成していて、よくできている。そんなフィーチャーフォンになじんでいるユーザーに、スマートフォンの世界を見せることに成功している。悩めるフィーチャーフォン難民、携帯電話として使いたい人には本当にいいと思うんですよね。
そのちょうどよさが日本らしくて、温故知新、和魂洋才と例えられるような、完全なる進化でも、立ち止まっているわけでもないというのが、面白いと思いましたね。