格安SIMはスマートフォンのためだけのものと思ってはいないだろうか。実はそんなことはなくフィーチャーフォン(いわゆるガラケー)でも有効だ。
音声通話対応の格安SIMも一般的になった今、短いところでは6ヵ月の最低契約期間しかなく、しかもスマートフォンで使っても十分なパケット通信容量が付属しており、フィーチャーフォンでもうまく使えばたいへん便利に活用できそうだ。
以前からガラケーに格安SIMを入れて通話やSMSに活用している人はいたと思うが、その場合、接続先設定、つまりAPNなどを自由に設定することができず、インターネットへの接続などは不可能だった。
ところが6月にドコモからAndroidをOSに使ったフィーチャーフォンが発売され、APN設定などができるようになっているのだ。
そこで早速、AndroidをOSとしたフィーチャーフォン「ARROWS ケータイ F-05G」(以下、F-05G)を入手し、格安SIMと組み合わせてみた。
Androidガラケーを格安SIMで使う!
AndroidフィーチャーフォンはドコモではF-05Gのほかに「AQUOS ケータイ SH-06G」がある。Androidの搭載はスマートフォンのような操作を実現するためではなく、単に携帯電話に使える新しい世代のOSがなくなったため、AndroidをOSとして搭載したという。
そのため、Androidではあるが、Googleアカウントの利用やストアアプリの利用は不可能となっている。
そして通信はLTEではなく3Gのみ。もちろんWi-Fi(無線LAN)機能もないので、3G通信以外でウェブサイトを見たりすることはできない。そして、残念なことは格安SIMではspモードに対応していないので、iモードメールとiメニューのようなサービスは一切使えない。
できることは、ウェブブラウズを含む一部のネット機能のみ。今回、Androidフィーチャーフォンの目玉機能のひとつ、LINEアプリをプリインストールされているが、これも格安SIMで使える。
ウェブブラウザはAPN設定の変更で使える
格安SIMでF-05Gを使う方法はまず、F-05GのSIMサイズであるnanoSIMで格安SIMをゲットすることからはじまる。
F-05GはFOMA(3G)の機種なので、3G機種で通信ができることを明確に表明している格安SIMを選ぶことも重要だ。そこで、今回は3G機種用のAPNを別途用意している「OCN モバイル ONE」と組み合わせて試してみた。
通常の音声通話とSMSはSIMを携帯電話に挿して電源を入れるだけで使用可能になる。ただし、データ通信でインターネットに接続するための設定は必要だ。
APNの設定は[メニュー]→[設定]→[通信・機内モード]→[モバイルネットワーク設定]→[アクセスポイント名]で、デフォルトではspモードしか設定されていないが、サブメニューから「新しいAPN」を選んで作成し、選択すると利用可能になる。
OCN モバイル ONEでは、APN、ユーザー名、パスワードの設定をすることで通信を開始できた。
メニューから地球マークの[Web]を選ぶとウェブブラウザーが起動する。携帯電話の画面でのウェブブラウズは少し苦しいが、各ウェブサイトの閲覧が可能になる。
(次ページへ続く、「LINEには非常に有効な格安SIM」)