2016年に中国で最も売れたスマホは「Apple」ではなく「OPPO」のものだった。
調査会社のIDCによると、1位より順に「OPPO」(7840万台、シェア16.8%)、「ファーウェイ」(7660万台、16.4%)、「vivo」(6920万台、14.8%)、「Apple」(4490万台、9.6%)、「Xiaomi」(4150万台、8.9%)となり、残りが1億5670台(33.5%)で、合計が4億6730台となる。
ほかの調査結果では多少誤差はあるが、OPPOがトップなのは変わらない。この数字がどれだけなのかイメージしやすくなるかわからないが、日本でもおなじみソニーの「Xperia」は2016年はワールドワイドで1500万台、2015年は2490万台であり、その数字の大きさはわかると思う。
スマホ出荷台数が、3ヵ月で1億ちょっと、年間で4億超というのは近年変わらず、もうこれ以上販売台数が増えることはないだろう。
メンツアイテムの需要が減ってきた!?
iPhone人気の下落は、中国でスマホが大衆化した、実用主義にシフトした、ないしは腕時計的なメンツアイテムの要素がなくなったというのだろうか。
これは、スマホを持つことで自分を表現しようとする人が減っていることを意味する。PCでもかつてVAIOやThinkPadを持つだけで成功者のように思われる時期があったが、レノボのIdeapadなどが現在人気となっている。
スマホもPCと同じ道をたどっており、より良いスマホに買い替えたいというニーズが減っている。
さらに、筆者は最近、今まで見なかったディスプレー表面にひびがはいったスマホをよく見るようになった。買い替えにしても買い控えをする人が増えるのかなと感じる。
中国ユーザーも機能でスマホを選ぶ時代に
2016年はOPPOの中でも「R9」という機種が飛びぬけて売れた。筆者が見ても明らかに違うというほど売れた。
統計によると2000万台売れたという。R9は全国展開するOPPOの店舗で「5分充電、2時間通話」の文言で急速充電ができることをアピール。これまでも急速充電できる機種は出ていたが、「買い替えるならこの機能がいい」と人々はR9に飛びついたわけだ。
中国の売れ筋のスマホを見ると、今やカメラ機能がいいのは当たり前。さらにプラスして何か機能をつけて売るようになった。
vivoは「X9」という機種などで音の性能をプッシュし、「gionee」(金立)はセキュリティー機能をプラスした製品を推す。
そうした製品がメーカーの代表製品となり売れている。Xiaomiも落ちたが、もうコストパフォーマンスだけでは勝てずさらなる付加価値を求めている。