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「iPhone X」「Galaxy Note8」 スマホ超高性能2機種おすすめはどっち? (1/3)

文●藤原達矢(アバンギャルド) 編集●ASCII編集部

2018年02月21日 17時00分

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iPhone Xの魅力に迫る

 iPhone Xはガラスボディーを採用している。指紋は若干目立つものの高級感漂う仕上がりだ。全面狭額縁を実現しておりサイズはコンパクト。片手でも不自由なく操作できるはずだ。ただし、コントロールセンターの呼び出しは画面右上端から下方向へのスワイプに固定されているため、左手でスマホを持つユーザーは少々操作しにくいかもしれない。

左側面

右側面

上側面

下側面

 ディスプレーサイズは5.8型ながら、本体サイズは5.5型ディスプレーの「iPhone 8 Plus」よりも小さい。デザインも旧モデルから大幅に変わり、ホームボタンが排除された。それに伴い指紋認証も使えなくなったが、代わりに顔認証機能の「Face ID」が採用。認証速度は指紋よりもスムーズでより快適に利用することができる。ただし、マスクをしていると認証してくれないのが困りもの。これから花粉シーズンにマスクが手放せないというユーザーは、外すひと手間が必要だ。有機ELディスプレーはコントラストが高く、旧モデルと比べると写真を見ていても鮮やかだ。視野角も広く、屋外でも快適に操作できる。

上部は最低限必要な情報のみを表示するようにして、全面狭額縁を実現している

Face IDはスムーズに画面ロックが解除できる。マスクをしている場合は認証してくれないので注意が必要だ

ガラスボディーを採用し、別売りの無線充電アダプターを利用することでワイヤレス充電が可能だ

iPhone Xの有機ELディスプレーは視野角が広く、画面上部の「iPhone 7」と比較すると、見る角度を変えても画面の視認性が高いことがわかる

Galaxy Note8の魅力に迫る

 Galaxy Note8は横75mm、縦163mmのボディーに6.3型の大画面ディスプレーを搭載する。感覚的にはスマホと小型タブレットの中間といったサイズで、さすがに片手だけでディスプレー全面を操作するのは難しいが、持ちにくさはさほど感じない。ズボンのポケットやシャツの胸ポケットに入るサイズなので、メインスマホとしても十分活用できる。

左側面

右側面

上側面

下側面

 大画面を活かせる便利な機能も豊富で、ビジネスシーンで大いに活用できそうだ。ワコムの電子ペン技術を採用した「Sペン」の使い勝手は前ページで紹介したとおり、書き味が大きく向上しており、体感的には紙への筆記と遜色がない。これまで電子ペンに懐疑的だったユーザーは、ぜひ店頭などで試してほしい。また、接続するとPCライクにマルチウインドー環境を利用できる外付けクレードル「DeX Station」を使いこなせれば、ノートパソコンを持ち運ぶ機会も減少するだろう。セキュリティーに関する機能も、虹彩認証や顔認証、指紋認証といった生体認証がひととおりそろっている。

SペンはNote8本体の下部に収納しておけるので紛失するリスクが少ない。充電が不要なのも便利だ

スリープ状態でもSペンを取り出すとすぐにメモを取ることができる「画面オフメモ」は利用する機会が多い

外付けクレードル「DeX Station」にNote8を接続すると専用のDeXモードが起動。外付けディスプレーにNote8の画面が表示され、ノートパソコンのようなマルチウインドー環境を活用できる

アスペクト比18.5対9の縦長画面は画面を2つに分割して、地図アプリを見ながらメールをチェックするといったマルチタスクが快適に実行できる

デュアルレンズカメラの機能差をチェックする

 iPhone X、Galaxy Note8ともデュアルレンズを搭載し、カメラ性能も高い。結論から言うと両機のカメラ性能は一級品で、細かなスペックの違いはあるが、ふだんスマホで写真を撮って友達と共有したりSNSにアップしているユーザーなら、どちらを使っても満足いく写真を撮ることができると感じている。ただし、カメラの性能がスマホ選びの決め手になるユーザーも多いかと思うので、ここでは、同じ被写体を撮り比べて気づいた違いや、おもしろい機能を紹介していこう。

iPhone Xのデュアルレンズは縦に並ぶ。レンズ部が本体から出っ張っているので、傷つけないように注意が必要だ

 レンズは両機とも光学式手ぶれ補正のデュアルレンズとなっており、広角側と望遠側のレンズが搭載される。両機種とも1200万画素レンズを採用し、iPhone XのレンズのF値は広角側がF1.8で、望遠側がF2.8。Note8は広角側がF1.7で、望遠側がF2.4となっている。風景写真で比較してみるどちらも解像度は高く、iPhoneの方はより見た目に近い色合いになった。Note8はコントラストがやや高く、同じ被写体でもくっきりとした仕上がりになる傾向だ。夜景撮影ではNote8の方がわずかに有利だ。暗い場所で撮影すると、手前の標識に書かれた文字や手すりなどの解像度に差はないが、遠くのマンションの部屋の灯りは、iPhoneの場合若干潰れてしまう傾向があった。

Galaxy Note8は光学式手ぶれ補正のデュアルレンズを左右に配置して搭載。レンズの右側は指紋認証センサーだ

 また、カメラを使っていて眼を見張るのが、背景をボカした撮影だ。iPhoneでは「ポートレート」、Note8では「ライブフォーカス」という名前で搭載されており、被写体の背後をボカして写真の主役をより引き立たせることができる。被写界深度は劣るが、一眼レフで撮ったようなボケを手軽に再現できるのだ。iPhoneではポートレートという名称だが、モノや食事に使ってももちろんOKで、いわゆる「インスタ映え」を狙った写真撮影もお手のものだ。

 さらにNote8は、撮影後にボケ具合を調整することもできるのが特徴。ボカすには、撮影した写真の下部に表示されている「背景ぼかし」のメーターをスライドすれば良い。 なお、Note8のライブフォーカスは、被写体から1.2m程度離れないと機能してくれないことがあるため、撮影位置を調整するのにやや神経をつかう。この点については、iPhone Xの方がよりスムーズに撮影できると感じた。

iPhone Xの作例。ポートレートモードを使うと、被写体を引き立たせることができる。背景のボケ具合も違和感はない

Galaxy Note8は「背景ぼかし」を使って、撮影後にボケ具合を調整することができる。なお、撮影時にあまり寄りすぎるとライブフォーカスが適用されないので注意しよう

通常撮影以外にも多彩な機能を搭載

 ポートレートやライブフォーカス以外で、両スマホに共通した機能を紹介しよう。「タイムラプス」と呼ばれる微速度撮影は、時間をかけて撮影した複数枚の写真をつなぎ合わせて、1本の映像のように再生できる機能だ。例えば1時間の長時間撮影を30秒の動画にまとめるなど、時間はかかるが太陽が沈んで行く様子などをドラマチックに撮影できる。また、スロー撮影は文字通り撮影した動画をスロー再生できる機能だ。動物が走る様子やスポーツなど、一瞬を捉えたいシーンで、幅広く活用できる。

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