松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析

アップルがiPhone「ニュース機能」に力を入れるワケ (2/4)

文●松村太郎 @taromatsumura

2018年08月14日 09時00分

フェイクニュースにまみれた大統領選挙を経て

 米国の中間選挙は、大統領の任期のちょうど中間に当たる年に実施されて、上院議員の1/3と下院議員の全議席が改選となります。また州知事や自治体などの選挙もあわせて実施されます。

 シリコンバレーのテクノロジー企業は、2016年にトランプ政権が誕生した大統領選挙で、「フェイクニュースの温床」という不名誉かつ信頼性を失うような事態に陥りました。ロシアなど外国のアカウントが膨大に作られ、それらによりフェイクニュースが拡散され、選挙結果に影響を与えたというのです。

 その中心に置かれたのがFacebook。マーク・ザッカーバーグCEOは議会証言の中で、自社のサービスがフェイクニュースの温床となり、しかも自身の支持政党ではないトランプ政権誕生の手助けをしたことを「最大の後悔」としていました。

 Facebookはその後、ニュースフィードにおけるパブリックニュース(家族や友人間ではないニュース)の表示頻度を下げ、フェイクニュース判定や政治的な内容を検出するAIを実装するなど、対策を進めています。

 Twitterは2018年7月上旬にフェイクアカウントなどを7000万件削除したことを発表しました。こちらも「健全な会話」を担保し、信頼性を回復する対策を中間選挙以前に実現したい、という考えが透けて見えます。

 Googleは2018年5月に開催の開発者会議「Google I/O 18」で、Google Newsアプリの刷新を発表。トピックに対して複数媒体の記事を見られるようにしたほか、現在進行形の話題を時系列で追いかけられるインターフェイスを備えました。

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