石川温のPCスマホニュース解説

ソニー1人負け スマホ業界の明暗 決算でくっきり (2/5)

文●石川温

2018年08月06日 09時00分

怒濤の成長見せたファーウェイ

 ファーウェイ端末事業トップであるリチャード・ユー氏は、今年2月にバルセロナで開催されたMobile World Congress2018会場で、日本メディアの取材に応じ「あと1~2年で台数シェアでアップルを抜いて2位になれるのではないか。1位になるには4~5年かかりそうだ」と語っていた。

 ファーウェイは4〜6月の四半期のみではあるが、2年かからず2位に浮上したことになる。

 ファーウェイの強みはエントリーモデルからハイエンドまで幅広いラインナップをそろえている点にあるだろう。4月にはグローバルでHUAWEI P20 Proを発売。日本ではNTTドコモが独占的に扱うというのもサプライズだった。

 また、昨年までファーウェイは日本市場においてMVNO向けなどのSIMフリーがメインであったが、今年はNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクといったキャリアに対してもスマホを納入するようになった。日本でも今後、かなりのシェアを上げることになるだろう。

 ただ、ファーウェイはいまだにアメリカ市場に本格参入できていないという弱点も存在する。アメリカ市場に進出できていないにも関わらず世界2位のシェアを獲ってしまうというのは立派であるが、今後サムスン電子を抜いてトップになるには、アメリカ市場の本格展開を避けては通れない。

 しかし政治的圧力もあり、中国メーカーのアメリカ進出はかなり困難な状況だ。はたしてリチャード・ユー氏が「4〜5年はかかるだろう」と語っていたシェア1位獲得に実際は何年かかるか、注目と言えそうだ。

 一方、ファーウェイの勢いに押されっぱなしなのがサムスン電子だ。

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