「1人負け」の雰囲気漂うソニー
同社のモバイル部門の売上だが、昨年同期は1812億円だったのが、今期は1325億円と487億円の大幅な減収を記録。営業利益も昨年同期は36億円と黒字だったものの、今期はマイナス108億円の赤字となってしまった。
販売台数を見ても、昨年同期は340万台から今期は200万台にまで落ち込んでいる。
フラグシップモデルである「Xperia XZ2」が思ったほど売れていないのだろう。
最近、ソニーは全社的には売上が好調だ。理由は、ゲームやイメージングセンサーなどが成長している点にある。
テレビやデジカメなどは「プレミアム路線」を貫くことで、競合他社とは価格競争をせずに高価格帯を維持することで売上を伸ばすという戦略が見事に的中しているのだった。
しかしスマホにおいては、Xperiaもプレミアム路線なのだが、ここにはアップルやサムスン、ファーウェイなどのライバルが多く、まともに戦えていない状況にある。特に狭額縁やデュアルカメラなどでXperiaは遅れをとってしまい、今年ようやく他社に追いついたという状況でしかない。
国内市場においては、これまでXperiaはAndroidスマホでトップシェアであったが、昨年シャープにトップを奪われてしまった。
シャープはキャリア向けにバラバラだったAQUOSのブランドを「AQUOS R」に統一。さらにSIMフリー市場向けにコストパフォーマンスに優れたモデルを投入することで、販売台数を大幅に増やすことに成功した。
一方、ソニーは「プレミアム路線」を貫くことで、SIMフリー市場への参入を拒み続けている(nuroモバイル向けには納入しているが、あれもXperia XZ Premiumというプレミアム路線商品だ)。
結果として、ジリ貧状態が続いてしまっている。