安く、しかも“使える”スマートフォンが欲しいという相談を受けた場合、現時点でまず検討してもらうのが「HUAWEI P20 lite」だ。
エントリーの価格帯ながらミドルクラスのプロセッサをはじめ、欲しいスペックがひと通り揃っている一歩抜きん出たエントリー機となっているからだ。
HUAWEI P20 liteはかなり万能
しかもau版はストレージが倍
ミドルクラスの性能を持ちながらSIMフリー版でも3万円前後から買うことができてコストパフォーマンスはトップクラス。
ドコモ、au、ソフトバンクのネットワークの格安SIMでちゃんと使え、安い価格ながら複数の電波を束ねて通信するキャリアアグリゲーションや、5GHz帯無線LAN(Wi-Fi)の対応、実際の操作性をスムースにする大きめの4GBメモリーなど、目立たないところのスペックがしっかりしている。
通常、格安SIMでHUAWEI P20 liteを使うならばSIMフリー版を購入することになるが、ストレージ容量が倍の64GBのau版を購入するという方法も出てきた。
それは最近になってau版のHUAWEI P20 liteがSIMロック解除済という状態で大量に未使用中古品が出回っているから。
どういうルートで出回ったのかはこの際、問わないとして、とにかく大量のau版HUAWEI P20 liteが主要中古店を中心に出回り、誰でも簡単に手に入る。
価格は未使用SIMロック解除品で2万7000円前後から。SIMフリー版新品を購入すると3万円~3万3000円程度なので、ストレージが倍で少しお得。販売店保証があるものを選べば中古品だからといって避ける理由はあまりない。
カラー展開はSIMフリー版もau版も同じ3色。本体サイズはSIMフリー版と同一なので、ケースやフィルムは万国共通。海外通販で格安でケースやガラスフィルムを取り寄せて使うことも、au版でも問題なくできる。
SIMを切り替えて使うのは向いていない
ストレージ容量が倍と大きいau版だが、困るのがプリインストールアプリ。使わなくてもバックグラウンドで動き、定期的に通知メッセージを表示するものもあるので、SIMフリー機の縛られない雰囲気が半減してしまう。
それでもauのスマートフォンのプリインストールアプリはまだ大人しいほう。普通に利用する人にとって困ることといえばこのくらいで、au版のプリインストールアプリさえ上手に付き合っていければau版を使うことのデメリットは少ない。
しかし、もう少しマニアックに活用したい人にとって不便な点がある。まず、SIMスロットはSIMフリー版と同じようにSIMトレイにもSIMが2枚載るが、認識されるのはSIM1スロットのみ。DSDS対応ではない。
設定でも2枚のSIMが使えるようなメニューは一切なく、SIM2スロットの存在は消されている。
SIMフリー版でも2枚のSIMの両面待受ができるわけではないため、2枚のSIMを飲み込む必要がないならそれでもいいが、頻繁にSIMを切り替えて通信事業者ごとのサービスの違いを実験するようなユーザーには不便の一言となる。
そして、SIMの切り替えができなばかりか、SIMを抜き差ししようとすると強制リセットがかかるのがau版の仕様。
頻繁にSIMを替えて何かをすることが予想されるなら、au版を使うと時間がかかってしまうことを覚悟しておいてほしい。
なお、HUAWEI P20 liteにはこのほか、UQ mobile版とY!mobile版があるが、au版のようなカスタマイズは施しておらず、SIMフリーで事業者向けアプリはかなり少なめだ。