松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析

アップル新iPhone衝撃価格のねらいは (4/5)

文●松村太郎 @taromatsumura

2018年09月18日 09時00分

■平均販売価格はどう動く?

 iPhoneの販売台数は年間2億1000万台で頭打ちと言われています。大画面モデルの投入は毎回、販売台数を成長させていますが、今回は、よほどiPhone XRがAndroidユーザーを取り込まない限り、年間を通じての販売台数が大きく伸びることはないでしょう。

 その一方で、2017年モデルによって売上高は2桁成長を続けています。その原因となっているのがiPhone Xによる平均販売価格の大幅な上昇でした。

 ベースモデルで比較すると、2016年はiPhone 7 Plusの769ドルが、ラインアップの中で最も高い価格でした。しかし2017年は、iPhone Xの登場により、ベースモデルが230ドル上昇しました。そして2018年は更に大型モデルのiPhone XS Maxが登場したため、更に100ドル上昇しました。

 その一方で、前述の通り、349ドルのiPhone SEは廃止され、最も安いモデルは100ドル値上げとなりました。そうした価格展開の中で、平均販売価格はどう動くのでしょうか。

 実は、iPhone XR 64GBモデルの749ドルは、iPhone X以降のiPhoneの平均販売価格近辺なのです。多少の増減はありますが、アップルが目指したい平均価格のど真ん中が、iPhone XR。

 このモデルに人気が集中することは、アップルのねらいどおりであり、平均販売価格を大きく押し下げないと考えて良いでしょう。

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