●縦横比のからくり
一般的な映像コンテンツは、1920×1080ドットなど16:9サイズで作られていることが多いです。これは家庭用テレビなどの縦横比と共通しています。
しかしiPhoneを含む昨今の有機ELディスプレーを備えるスマートフォンは、長辺がより長くなる傾向にあります。たとえばiPhone Xは19.49:9というサイズでティスプレーが作られており、iPhone XSは同じ、iPhone XRとiPhone XS Maxは19.48:9という縦横比です。
これらのスクリーンを横長になるように構えて縦の長さいっぱいに映像を表示すると、両端が余ります。裏を返せば、長辺の長さではなく、短辺の長さが映像視聴の際の実際の画面サイズを決めている、ということです。
その点で考えると、5.5インチディスプレーで映像を楽しんでいた人が、その迫力を引き継ぎたいと考えると、iPhone XS Maxを選ばなければ、同じサイズの16:9の映像が得られない、ということになります。
iPhone XRは、少なくとも、4インチ、4.7インチモデルを使ってきた人にとっては、大幅なスクリーンサイズ拡大となります。しかし5.5インチのiPhoneで映像をたくさん見ていたという人は、解像度と実際の映像コンテンツの表示サイズの関係で、一度店頭で試してみた方がいいかもしれません。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
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