「T2」自社製チップがMacを左右する
アップルはiMac Proを皮切りに、MacにT2チップを搭載しています。現在、iMac Pro、MacBook Pro、MacBook Air、Mac miniの4モデルにT2チップが搭載され、残るはiMacとMacBookの2モデルになりました。
T2チップは、iPhoneに搭載されているAシリーズチップを元に作られていると言われており、iMac Proが登場する際に「A10 Fusion」チップがベースであると予想されてきました。iPhone 7はA10 Fusionにより、アプリの実行、グラフィックス処理、写真や動画などの画像処理、指紋データの格納、モーションコプロセッサとしての機能を担い、またシステム全般のコントロールをしています。
Macにはインテルのプロセッサーとグラフィックスチップが搭載され、T2チップの役割は主にセキュリティー方面での活用が強調されました。指紋認証データの格納はiPhone 7と同じですが、その他に起動時のセキュリティーを高めるセキュアブート機能、高速なフラッシュストレージを管理するディスクコントローラー、ディスクへの書き込み時に暗号化をするon-the-fly暗号化を実現しています。
その他にも、FaceTime HDカメラの画像処理、マイクやカメラの制御によるセキュリティーの確保、オーディオコントローラー、iPhoneなどで採用された写真と動画を高圧縮で保存するHEVC形式エンコーダーなどの役割を担っています。
MacBook Pro 13インチ、MacBook Airで、フタを閉じるとマイクをオフにする制御をしているのもT2チップです。カメラの制御をしない理由は、フタを閉じればカメラが真っ暗の映像しか映さないためだそうです。
こうした情報は、アップルが公開しているT2チップに関するホワイトペーパーで参照できます。