●ねらいは「デジタルトランスフォーメーション」?
筆者はアップルのイベント当日にサンフランシスコからラスベガスに移動し、世界中のマーケッター17000人が参加するデジタルエクスペリエンスのイベント、アドビサミット(Adobe SUMMIT)を取材しています。
初日の基調講演のキーワードは企業の「デジタルトランスフォーメーション」(DX)。2012年にパッケージソフトからサブスクリプションにビジネスモデルを移したAdobe Creative Cloudを例として、企業内での開発からマーケティング、顧客体験までもが一変したことを、Adobe自身を例に語っていました。
アップルが出版社やゲーム開発者、映像クリエイターに促そうとしているのも、モバイルを前提としたビジネスのデジタルトランスフォーメーションと見ることができます。ビジネスモデル、マーケティング、ゆくゆくは制作方法まで変化する。
これまで成功しているレガシーなコンテンツメーカーに対して、アップルが用意するプラットホームを通じてデジタルトランスフォーメーションの世界に足を踏み込んでもらう。筆者は今回のイベントを通じて、そんな見方をしています。
もちろん、サービス自体は映像配信や情報配信といった既存のものと同じで「後発」に見えますが、これまでビジネスモデルがデジタル時代向けに変化していない部分を攻める、アップルだからこそ取り組めるテーマなのかもしれません。