●ARワークフローを確立
もう1つ、iPadについて注目したいのがARです。アドビはビデオ編集系のアプリでVRをカバーし、デスクトップのPhotoshopなどでも3Dを扱えるようにしていますが、いま力を入れているのはむしろARの編集環境の構築です。
アドビは昨年Dementionという3D編集ツールを用意し、今年はAdobe AeroというAR空間での体験デザインをするツールの正式版をリリースしました。しかも、iPadやiPhone向けアプリが用意され、実際にARを体験するデバイスの中でデザインを行うことができるようにしたのです。
iPadはアドビにとって、ARデザインのツールとしての重要度が高いのではないでしょうか。
たとえば、Photoshopでレイヤーつきのイラストを手書きするとします。これをAdobe Aeroで呼び出せば、目の前の空間に自分のイラストをすぐに配置できます。
さらに、タップなどのアクションで動きをつけることもできます。たとえば自分で描いたチョウを画面の中で合成して飛ばす程度であれば、2分で実現できてしまいます。しかも、それをメッセージやAirDropで友人に共有することも。AR体験のデザインが、一挙に身近でカジュアルなものへと変化した瞬間が、今回のAdobe MAXだった、と振り返ることができます。