●iPad Proは台風の目に
アップルの2019年第4四半期決算では、iPadが前年同期比約17%の成長を遂げました。中でも好調だったのがiPad Proで、こちらも前年同期比17%の成長をしていることが明らかになりました。
iPadOSの登場によって、PCの代替になりうるとの認識が広がったことから、よりハイエンドなiPad Proへの注目が集まったと考えられます。そして、Adobe Photoshopの登場とIllustratorのアナウンスによって、iPad Proへの注目は継続、あるいはより高まることが予想できます。
iPadにとって、アドビ製品はマイクロソフト製品とともに、iPadを使う動機を作り出す非常に重要なパートナーと言えます。
これまでのアドビのiPad向けアプリは、iPhone向けも含め、補助的なツールとしてリリースされてきました。しかしアップルがiPadOSを登場させた2019年、これに呼応するように、補助ツールではない、リアルなPhotoshopが登場したことで、iPad自体もまた、クリエイティブ作業の中での主要ツールとして、ポジションを高めることができました。
2019年、アップル自身の施策とともに、アドビの動きも含めて、iPadの転換点になった可能性があります。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
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