■独占への規制、対抗勢力も気になる
このように両社の統合はいろいろと夢が広がる部分もある一方で、懸念も出てきています。政府による規制という点では、単に独占的なシェアを持つ企業が誕生するだけでなく、GAFAなど特定の企業にデータが集まりすぎることを警戒する「データの独占」の点からも、厳しい目が向けられそうです。
また、2020年10月の統合完了までは約1年間を要し、その間にも世界は大きく変わっていくはずです。両社は統合完了までの間、まずはライバルとして競争を続けるとの方針を出しています。しかし統合後を見据えて調整しなければ、ムダや手戻りが生じる恐れもあります。
対抗勢力の動きも気になるところです。3大キャリアの一角であるソフトバンクとLINEがつながり、うまく統合が進んでシナジーを発揮されてしまうと、他のキャリアやインターネット企業にとっては目の上のこぶのような存在になるでしょう。
経営統合が終わるまでの1年間は、ヤフー・LINE連合に対抗するブランドを立ち上げる最後のチャンスになるかもしれません。