松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析

2020年が「iPhoneの年」になる理由 (2/4)

文●松村太郎 @taromatsumura 編集● ASCII

2020年01月29日 16時00分

●iPhoneと連動するアップルのビジネス

 iPhoneは最も多いときで、四半期ごとの売上高の7割を占める存在となっていました。そのiPhoneが不振になれば、業績全体に大きな影響を与えることは言うまでもありません。

 前述の通り、特にウェアラブル製品の急成長で売上高は成長ペースを取り戻しているかもしれませんが、iPhoneをそのままにしておくことができない理由もまた存在しています。その理由はiPhoneの販売台数に、ウェアラブルとサービス部門が連動するためです。

 もう少し正確に言えば、iPhoneによって獲得し増加するアクティブユーザーベースが、ウェアラブルデバイスをオプションとして購入する人や、App Store、iCloud追加ストレージ、Apple Musicなどのコンテンツサービスに消費してくれる人を作りだしているからです。

 とくにサービス部門は、2020年までに、2016年の売上高を倍に成長させるという目標を設定しています。現在までのペースで行けば、その目標を達成することは可能だと考えられますが、ここでペースダウンしてしまうと、投資家にとっても、「スマホ飽和時代」にアップルの成長が封じられるというネガティブな印象を与えかねません。

 しかしスマートフォンの成長がサービス部門の成長に関係している以上、スマホ飽和の市場環境の中でサービス部門を成長させることは難しくも思えるのですが……

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