スマホで始める「音楽アプリ部」

楽譜と音源が同時に作れるアプリならではの「Notion」が便利 (3/3)

文●藤村亮

2014年07月13日 12時00分

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DAWソフトのような感覚の扱いやすさ

 記入した譜面の書き出し やパートの追加などは画面下部左端のホームアイコンの隣にある歯車のアイコンから行ないます。

 書き出しのフォーマットはPDFはもちろん、MIDIデータやMusicXML、またNotionの音源を利用したWAVやAACといったオーディオフォーマットまで選ぶことができます。PDFの譜面としての使用に留まらず、Notionで作成したデモ音源を「Music Studio」や「Beat Maker 2」「Cubasis」といったDAWアプリで読み込んで編集を加えることも可能です。

印刷する用紙サイズや上下左右の余白まで設定できます

 パートの追加をする際には「Score Setup」からメニューを開き、最初のパート選択時と同じ要領で楽器(パート)を選び、最後にOKをタップすると、新しいパートが楽譜の一番下の段に追加されます。

例としてアコースティックギターを追加してみました

 Notionは楽譜制作アプリとしては言わずもがな、シーケンサーアプリとしてもとても細かい部分まで作り込むことができる非常に優れたアプリだと感じました。同系統のアプリであるSymphony Proと比べると、ドラムキット用のリズムパッドによる入力画面があったり、ミキサー画面での直感的なミックスなどでDAWソフトのような感覚での扱いやすさがあります。

 ただ基礎的な音楽知識やDAWの扱い方といった部分がひととおり理解できていたり、理解はできていないまでも想像はつくという方でないと扱い切れない機能が多く、初心者には厳しいところがあります。

 Symphony Proは音楽的な知識はあるけれどDAWは不得手という人向けで、NotionはDAW知識がベースの操作感でもって楽譜を作りたいという人向けかなと感じました。

 アプリ内の音源自体の数は決して多くはないですが、触れ込みにあるストリングスだけでなくピアノやギターの音色もなかなかのクオリティーで、楽譜入力をオフにして単純な演奏用音源アプリ として使ってみるのも面白いのではないかと思います。



藤村 亮(ふじむら りょう)

photo by Shin Kobayashi

 1981年生まれ、Ibanez製7弦ギターを手に世界を渡り歩くロックミュージシャン。2006年にバンド"AciD FLavoR"の7弦ギタリストとしてメジャーデビュー。2008年よりベルギーのインディーズレーベルと契約し、"Ryo Fujimura"としてソロ活動を開始。ヨーロッパ最大の日本文化イベント"JapanExpo"や各国のJ-Musicイベントにゲスト参加した。2012年からは活動の幅をメキシコにも広げ、3度のライブツアーを敢行。さらに、2013年11月にはヨーロッパツアーを終え、2014年1月1日から一日一曲アップロード企画「Daily Sound Scape」をSoundcloud上で開始。

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