山根博士の海外モバイル通信

Xperia Z Ultraもライバル! Galaxy Noteに挑んだ「ペン付きスマホ」を振り返る (2/2)

文●山根康宏 編集●ASCII編集部

2019年08月23日 10時00分

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アルカテル
OneTouch Heroシリーズ(2013~2014年)

アルカテルがビジネス市場に挑んだ「OneTouch Hero」

 低中価格スマートフォンで販売数を伸ばしていたアルカテル(TCL)が、新しい展開としてリリースした製品が「Hero」。6型ディスプレーを搭載し、スタイラスペンを内蔵したスマートフォンでしたが、そのスマートフォン本体に様々なアタッチメントや周辺機器を接続することで、活用範囲を大きく広げる製品だったのです。

 2013年9月発表の初代「Hero」にはフリップカバーを電子ペーパーにした製品や、クレードルにプロジェクターを内蔵したものなどが発売される予定でした。また、2014年9月に発表された「Hero 2」は、なんとノートPCスタイルの「キーボード+モニター」というドッキングステーションが登場。Hero/Hero 2そのものはペンで手書きしたり操作しつつ、様々な用途展開が図られたのです。

 しかし、この手の製品の宿命とでもいうのか、アクセサリーを全部揃えるくらいならスマートフォンとは別にノートPCなどを買ったほうがいいんじゃないか? と思われてしまいました。合体式スマートフォンでもあったHeroシリーズは2機種で終わりとなってしまったのです。

ノートPC型にもなった「OneTouch Hero 2」

ソニーモバイル
Xperia Z Ultra(2014年)

Galaxy Noteどころじゃない大型画面を搭載したXperia Z Ultra

 ソニーモバイルの大画面スマートフォン「Xperia Z Ultra」は今でも愛好者がいるほどユーザーに愛されている端末です。2014年6月発表時の6.4型という大きなディスプレーサイズは、前年9月に発表された「Galaxy Note 4」の5.7型をさらに超える特大サイズでした。このころになると、もはや大画面スマートフォンに対して否定的な声は一切聞かれなくなり、「ファブレット」という用語も定着しはじめました。

 このXperia Z Ultraが、発売当初はGalaxy Noteシリーズを意識した製品だったことは今では誰も覚えていないでしょう。Xperia Z Ultraはスタイラスペンや市販の鉛筆を使って画面タッチや手書き操作が可能だったのです。机の上や引き出しには必ずあるだろう鉛筆が入力デバイスになるというのは面白い発想でした。

 しかし、収縮式のスタイラスペンは使い勝手が悪く、鉛筆を普段持ち運ぶ人はすでに少なくなっており、実際に出先でXperia Z Ultraの画面に手書きするユーザーは多くなかったでしょう。Xperiaシリーズから定期的にペン対応製品が出ていれば、Galaxy Noteシリーズもよりエンタメ機能を強化するなど今とは変わった姿に進化していたかもしれませんね。

鉛筆や専用スタイラスペンにも対応していた(Xperia Zとの比較)

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