■エリアは電波の追加割り当てに期待、端末には独自の魅力
楽天モバイルの大きな課題がエリアです。2020年12月時点の人口カバー率は73.8%で、2021年夏頃には計画を大幅に前倒しして96%に引き上げる計画です。ただ、カバー率は96%ではまだまだ足りず、実際にはつながらない場面が多々あると予想されています。
そこで頼りになるのが、楽天の自社エリア外をカバーするauローミングですが、東京都では2021年3月末に地下鉄などを除いて原則終了する予定です。プラチナバンドを使えるauローミングがなくなると、楽天の周波数は1.7GHz帯しかないことも気になります。
これに近いバンドを多用する欧州では、ビルの谷間や店舗の奥まった場所で圏外になることがあります。欧州ではこれが当たり前ですが、日本のユーザーはどこでもつながる大手3キャリアの品質に慣れているのも悩ましい点です。
ライバルとなるahamoやSoftBank on LINEでは、上位プランと同じネットワークを用いるようです。楽天は総務省の懇談会で周波数の追加割り当てを求めていますが、これが早期に実現するかどうか、注目ポイントといえます。
端末については、楽天ブランドのスマホに独自の魅力があります。超小型の「Rakuten Mini」に続き、12月には片手で持ちやすい「Rakuten Hand」が登場しました。小型でおサイフケータイ対応のスマホは日本でしか需要がなく、海外メーカーが手を出しにくい領域をうまくカバーした製品といえます。
今後の課題として残っているのがiPhone対応です。楽天は独自に動作確認をすることで「動作確認済みだが、正式な動作保証はしない」というグレーな扱いを続けています。4月以降の有料化に向けて、そろそろ解決してほしいところです。