5.5Gではアップリンク強化が目玉の1つになる?
そのHASでは、メインの通信分野における5.5Gについても触れている。
5.5Gについては、昨秋の自社イベントで5Gの進化形として標準化に向けて呼びかけることを明らかにした。HASでの話はその内容を踏襲するものとなり、「アップリンク中心のブロードバンド通信(UCBC)」「リアルタイムブロードバンド通信(RTBC)」「通信とセンシングの調和(HCS)」の3つの技術を追加することを提案している。
たとえば1つ目のUCBCは、10Gbpsを超えるアップリンク帯域幅を目指すもので、eMBBとmMTCの中間と位置付けている。
コンシューマー分野ではどちらかというとアップリンクよりダウンリンクの速度の方が重視されてきたが、ソーシャルと動画の時代ではアップリンクも重要になっている。それに加え、5Gが対象とするエンタープライズや産業領域でのニーズ(HD動画のアップロード、マシンビジョンなど)を満たすためにアップリンクを強化する必要があるとしている。
3つ目のHCSは、自動車間(V2V)をはじめ自動運転に必要なV2Xで重要となると位置付けており、「センチメートルレベルの精度と屋内ポジショニングの実現を期待する」という。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている