製品の話はなかったですけれど、アップルの開発者向けイベント「WWDC」はやっぱりおもしろいですね。少し未来を覗いているようなワクワク感があるからかもしれません。今年も「Siri対応のサードパーティ製品が登場する」とか、「iPadでアプリ開発ができるようになる」とか、「画像から3Dオブジェクトが簡単にできるようになる」とか、市場を大きく動かしそうな、パワーのあるトピックが盛りだくさんでした。
そんななか、前半に紹介されたということもあって、今回割と印象に残っているのが「FaceTimeリンク(FaceTime Links)」のこと。URLを作成することでAndroidやWindowsからでも、ブラウザ経由でFaceTimeに参加できるというので、テレワーク真っ盛りな最近のライフスタイルだとどうしても気になってしまいます。
実際、個人的には、ビデオ会議が増えだした昨年から、「Zoom」や「Microsoft Teams」「Google Meet」「Webex」などを利用する打ち合わせや取材が多かったです。友人や家族とビデオ通話をする場合も、LINEを使うことが多かった。一方で、筆者の交友関係の中では「FaceTimeしよう」というやりとりは一切なかったなぁ……、というのが正直なところ。AndroidやWindowsとの互換性を考えれば、まぁ現実的な選択肢ではなかったですからね。
しかし、FaceTimeも「リンク経由で誰でもOK」となってくると、こうした状況も変化しそうな予感。これから徐々に「FaceTimeで良いですか?」なんてやりとりが現れだすかもしれませんね。セキュリティ面についても、エンドツーエンドの暗号化がされているというので、安心ですし――。
ただし、ビジネスシーンもプライベートも、すでにほかのツールがデファクトスタンダードになってしまっている気がするので、どこまで出遅れた分を取り戻せるのか、ちょっと気になります。個人的には、秋から積極的にFaceTime使ってみようかと思った次第でした。
「その打ち合わせ、FaceTimeで良いですか?」とか、言ってみようかな。
筆者紹介――井上 晃
フリーライター。スマートフォンを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報やレビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter:@kira_e_noway