ASCII Power Review

ライカ「Leitz Phone 1」実機レビュー = 「写真を撮る」ために生まれたスマホだった!!

文●写真 岡田清孝 + 編集● ASCII PowerReview軍団

2021年07月20日 10時00分

Exifを見るとISO1890とそれなりの高感度だったが、モノクロだと荒が目立たない

19mm相当で撮影。建物の細部を見ると解像感の高さがわかる。周辺光量低下はなだらかで、遠景なら像の乱れも目立たない

24mm相当で撮影。デジタルズームで120%の拡大になるが、画質劣化はほとんど気にならないだろう

48mm相当で撮影。デジタルズームで260%に拡大。細部の解像感に甘さはあるが、フルHD程度の画面で見るくらいなら問題ないだろう。

19mm相当で撮影。遠近感が強調される超広角で街中をスナップするのも面白い。パンフォーカス機能が欲しいところ

逆光では光源の位置によってゴーストやフレアの具合が変わるが、たまたまゴーストが槍のような形状になって、これはこれで面白かった

街灯が多い都市の夜景もスマホカメラには苦手な被写体。ゴーストやフレアをどう効果的に見せるか考えるのも楽しい

 撮像素子が大きいことで期待するのがボケと高感度画質。ボケに関しては実焦点距離6.9mmなので、さすがに限りがある。

19mm相当で撮影。遠景にピントがあったため手前の看板はピントが甘い。やはり普通のスマホカメラより被写体深度は狭い

19mm相当で撮影。被写体に近寄れば、通常撮影でもそこそこ背景はボケてくれる。

 大型センサーのデジタル一眼のようなボケを期待するなら「背景ぼかし」モードを活用したほうがいい。ボケ具合は0~10の範囲で調整できるが、なぜか画角は35mm相当程度に固定されズームはできない。

「背景ぼかし」の作例。手前の被写体との境界やボケ具合は自然に加工されている

モノとしての存在感と確固たる写真画質は
やはりライカ・クオリティだ

 近接撮影や暗い場所ではAFが若干遅かった。明るい屋外の遠景では大丈夫だったが、シェイプアップしてほしいところだ。

 とはいえLeitz Phone 1は、工芸品のようなデザインと、ライカがこだわる写真画質は素晴らしい。1型撮像素子19mm相当の超広角機として、絞りF4でパンフォーカスでタイムラグ無しで撮影できる機能があれば、常に持ち歩く、スナップ・カメラとしてかなり魅力的なはず……などと妄想してしまう。

 やはりカメラ好きのみなさんにとっては、外観や手触り、付属パーツから、撮れる写真まで、「ライカ・クオリティ」を楽しめるカメラ、いや唯一のスマートフォンであることは間違いないのである。

mobileASCII.jp TOPページへ