このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー

「らくらくスマートフォン」と「arrows Be4 Plus」 高齢の両親に持たせるなら、どっちのスマホがいい? (2/2)

文●村元正剛(ゴーズ) 編集●ASCII

2021年09月17日 11時00分

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パワーも電池持ちもarrowsに軍配が上がるが……

 らくスマもarrowsもエントリーモデルですから、ハードウェアのスペックは控えめです。CPUは、らくスマがSnapdragon 450で、arrowsは同クラスですが新しく性能が若干高いSnapdragon 460を採用しています。操作の快適性に影響するメモリーは、らくスマが3GBで、arrowsが4GB。らくスマでも基本アプリはスムーズに使えますが、より快適に使いたいのならarrowsを選ぶのが得策です。

「Geekbench 5」というアプリで、らくスマのベンチマークを測定した結果

こちらはarrowsのベンチマーク測定結果。CPUの差もあり、らくスマよりも高いスコアをマークした

 実際に使い比べて、大きく差を感じたのが電池持ち。バッテリー容量は、らくスマが2110mAhであるのに対して、arrowsが3600mAhもあります。2台を同じように使い比べていて、らくスマの電池残量が20%くらいになった時に、arrowsはまだ50%以上残っていました。外出することが多かったり、こまめな充電が面倒と思うのであれば、arrowsを選ぶのが賢明です。

arrowsは電池を長く持たせたり、電池そのものの寿命を長くさせる機能も備えている

 ただ、らくスマには充電に便利な卓上ホルダ(別売)があります。いちいちUSBケーブルを抜き差しすることなく、フィーチャーフォンと同じように充電できることは、シニア層にとっては大きな利点かもしれません。

らくスマは安心安全に使える機能・サービスが魅力

 ここまで読んで「arrowsで決まりじゃん」と思った方、まだ決めるのは早いです。使う人が必要とする機能があるかどうかもしっかり確認しておきましょう。らくスマは、最近のスマホでは珍しくワンセグチューナーを搭載していて、テレビを見られることが利点。しかも伸縮式のアンテナが内蔵されているので、イヤホンがなくても視聴できます。

引き出せるアンテナがあるので、どこでもワンセグを視聴できる

 スマホを使っていて、わからないことがあった場合に、無料で「らくらくホンセンター」に電話ができることも利点。電話帳に登録していない人から電話がかかってきた場合に、相手に会話を録音するという音声メッセージが流れる「迷惑電話対策」機能も搭載されています。さらに、通話中に還付金詐欺と思われる会話が検出された場合は、双方に警告し、被害を未然に防げる機能も備えています。

困った時に「らくらくホンセンター」に電話して問題を解決できるのは、らくらくホン&らくスマユーザーだけの特権

「迷惑電話対策」は忘れずオンにしておきたい

 arrowsは、シリーズの他のモデルと同じように様々な便利機能を使えます。たとえば、とっさにメモをとりたいときに、画面のロックを解除しなくても「FASTメモ」を起動して、音声またはテキスト、写真のメモを記録することができます。

ロック画面で、画面の端から内側になぞるだけで起動できる「FASTメモ」

 高齢者は毎日血圧を測って、血圧手帳をつけている人が少なくないでしょう。そんな人に便利なのが「ララしあコネクト」。血圧値をカメラで読み取って入力することができ、データは自動で記録されます。ほかに、歩数や睡眠時間なども記録できる便利なアプリです。

血圧を測る習慣がある人に便利な健康管理アプリ「ララしあコネクト」がらくスマとarrowsにはプリインされている。らくスマは「健康・ショッピング」→「健康測定・歩数計」とタップするとララしあコネクトが起動する。さらに「血圧管理」→「血圧入力」と進むとカメラで血圧計の数値を入力できる

お買い得なのは、どっち?

 らくスマとarrowsはそれぞれいくらで買えるのか? 両モデルのドコモオンラインショップでの価格を比べてみました(すべて税込)。

 らくスマは、機種変更と新規契約が4万1976円。MNPで他社から乗り換える場合は、1万6500円の端末購入割引が適用されて2万5476円で購入できます。

 arrowsは、機種変更と新規契約が2万1780円。乗り換えの場合は、1万6500円の端末購入割引が適用されて、なんと5280円で購入できます。

【まとめ】らくらくホンを使っていた人にはらくスマがベスト
いろいろなことに挑戦したいならarrowsでスマホデビューを!

 らくらくスマートフォン F-42Aは、ガラケーから機種変更して初めてスマホを使う人でも、スムーズに使いこなせるように設計されていることが利点。特に、操作性が近い「らくらくホン」を使っていた人は、無理なくスマホに乗り換えられることでしょう。

側面のボタンにも名称が記されているなど、細部まで使いやすく設計されているらくスマ

 万が一、操作に迷っても、らくらくホンセンターに電話して、自力で問題を解決できることも魅力。認知症予防支援アプリや迷惑電話対策もあるので、離れて住む両親や祖父母に持たせる場合にオススメしたい端末です。

 arrows Be4 Plus F-41Bは、スペックは控えめで、初心者向きの顔をしていますが、実はフツーのスマホ。SNSを楽しんだり、動画を見たり、さまざまな用途に活用できます。せっかくスマホを始めるのだから、いろんなことに挑戦してみたいという気持ちがある方なら、最初のスマホとして最適でしょう。一般的な操作性なので、家族が使い方を教えてあげられるというメリットもあります。

よく使う決済アプリやポイントカードアプリを素早く起動できる「FASTウォレット」など、使い慣れてから役立ちそうな機能も充実しているarrows

 もし、思うように使いこなせなかったら、「シンプルホーム」に切り替えて使うのもよし。バリバリ使い倒して、物足りなく感じるのであれば、次に買い替える際に、より性能の高いミッドレンジのモデルを選ぶといいでしょう。

 まずはご両親や祖父母にどんなことがしたいのか、意識調査から始めてみてはいかがでしょうか?

主なスペック arrows Be4 Plus F-41B  らくらくスマートフォン F-42A
ディスプレー 5.6型有機EL 4.7型有機EL
画面解像度 HD+(720×1480ドット) HD(720×1280ドット)
サイズ 約71×148×9.4mm 約70×143×9.3mm
重量 約160g 約143g
CPU Snapdragon 460 Snapdragon 450
メモリー 4GB 3GB
内蔵ストレージ 64GB 32GB
外部ストレージ microSDXC(最大1TB) 
カメラ画素数 アウト:約1310万画素
イン:約800万画素
アウト:約1310万画素
イン:約500万画素
バッテリー容量 3600mAh 2110mAh
防水/防塵 ○/○(IPX5,8/IP6X)
おサイフケータイ
生体認証 ○(指紋) ×
ワンセグ/フルセグ ×/× ○/×
イヤホンジャック
カラバリ レッド、ブラック、ホワイト ピンク、ホワイト、ネイビー

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