ソフトバンクが顔認証を使った新しいスポーツ観戦体験の実証実験を沖縄で実施

文●中山 智 編集●ASCII

2021年10月06日 10時00分

プロバスケットの試合会場で
顔認証を使ったスポーツ観戦の実証実験

 9月30日、ソフトバンクとB.LEAGUE(ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ)、沖縄バスケットボールは、沖縄アリーナで開催された「B.LEAGUE 2021-22 開幕戦 琉球ゴールデンキングスVSアルバルク東京」にて、顔認証ソリューションを使ったスポーツ観戦体験の実証実験を行なった。

実証実験が行なわれた沖縄アリーナ

 今回の実証実験は、スマートフォンやチケットなどを取り出さず、顔認証だけで入場チェックをしたり、各種サービスを受けられるというもの。対象者は沖縄アリーナでの開幕戦および10月2日開催のチケット購入者。別途専用アプリの「Face&Go」をインストールし、Face&Goにチケット情報や顔、ニックネームを登録すると利用可能となる。開幕戦の観客は公式発表で3780人。ソフトバンクによるとそのうち約1700人の利用者登録があったとのこと。

対象試合のチケット購入者が別途専用アプリ「Face&Go」をインストールすれば、実証実験に参加できた

専用アプリのFace&Goから、実証実験が行なわれる試合での登録が無料でできる

Face&Goアプリで来場者の顔を登録

 Face&Goに登録した来場者は入場時のチェックのほか、スタジアムまでの無料シャトルバス乗車やオリジナルグッズの配布、スタジアム内で無料フード&ドリンクの入手、選手からのオリジナルメッセージ視聴といったサービスが受けられた。

応援メッセージ用の顔認証システムを使用すると

登録したニックネームが表示され、アプリで選択したお気に入りの選手からのメッセージが表示される

無料でフードが貰える顔認証専用フードスタンド

フードコーナーで提供されていた唐揚げとソーセージ

フードとは別にドリンクスタンドも設置

無料で入手できるドリンク

専用プレミアムラウンジが利用できるチケットを購入した来場者は、ラウンジ入場時のチェックにも利用できた

ウェルカムギフトの受取りも顔認証を使用

無料で配布された非売品のウェルカムギフト

 顔認証にはiPadを使用。シャトルバス乗車時と入場時のチェックではiPadにサーモセンサーが装着されており、検温機能も搭載されていた。

シャトルバス乗車ポイントに設置されていたiPadには、Lightning端子でサーモセンサーが取り付けられており、検温機能もあった

シャトルバスでの乗車チェックの様子

 筆者も実際に体験し、来場者の様子も確認したところ、顔の認識速度がiPadでも十分。ただしシャトルバス乗車は屋外、会場での入場チェックは日差しの強く当る場所ということもあり、顔認証に失敗したり、別の登録者として認識されたりといったエラーもあった。

入場時刻がちょうど強く日の差し込むタイミングのため、ブラインドを下げて対応

iPadの高さがほぼ固定されていたこともあり、背の高さを合わせるのが大変で、このあたりも改善ポイントだ

 ソフトバンク担当者によると、テストでは高い精度だったものの、実際に現場でやってみると、やはり明るさなど周りの環境に左右されやすいとのこと。どこに設置しても滞りなく処理できる精度やスピードが、今後の改善点となりそうだ。

会場内でも実証実験をしていることがアピールされていた

 とはいえ実際に体験してみると、スマートフォンを取り出さずスポーツ観戦での各種サービスを受けられるのは便利。自分もプロ野球観戦によく行くが、席を離れてトイレやフードを買いに行くたびにチケットを探して取り出したり、サイフを出したりするのを億劫と感じていた。特にフード購入後は両手がふさがることもあり、席に戻る際にチケットやスマホを探して操作し、係員に見せるのは大変。

 ソフトバンク担当者によると、QRコードやバーコードではなく、あえて顔認証にこだわったのは「スマホを取り出さずにできること」を考え、スタジアム内での煩わしさをなくしスマートにするため。ソフトバンクが今回の顔認証システムを使用した実証実験は初めてで、開発も今年6月頃にスタートとまだ始ったばかりのもの。そのため実用化などは未定だが、今後は決済などと紐付けたサービスも考えているとのこと。

当日は3780人の来場者があり、半数近くがFace&Goに登録していたとのこと

 最近はスマートフォンに依存したサービスが多く、スマートフォンがなかったりバッテリー切れで使えないとサービスを受けられないというケースもよくある。もちろんサービス登録など母艦となるデバイスとしてスマートフォンは今後も必要不可欠だが、こういった顔認証システムなどが普及することで、「脱スマホ」的なサービス提供もそう遠くない未来で実現できそうだ。

試合はアルバルク東京が前半リードしていたが、後半に地元の琉球ゴールデンキングスが逆転し開幕戦を飾った

沖縄は外国人の居留者も多いため、バスケットボールの人気が高い

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