タイプカバーは、キーピッチが実測16.5mm前後、キーストロークが実測1.5mm前後となっており、フルサイズキーボードなどと比べるとやや窮屈感はある。とは言えキーとキーの間にすきまのあるアイソレーションタイプで、配列もオーソドックスだ。個人的にはやや窮屈なカーソルキーには慣れが必要だったが、数時間使っていたらフルサイズキーボードの7割ぐらいのスピードで文字入力できるようになった。
Surfaceペンの使い勝手は従来のSurfaceシリーズと違いはない。2H、HB、Bの3種類が入った「Surfaceペン先」を利用できるSurfaceペンは、個人的にも愛用しており、現在存在するデジタイザーペンのなかでトップクラスに書きやすいと太鼓判を押せる。
ただ、現時点でまだ試せていないが、触覚モーターにより紙にペンで書いたような感覚を再現するという「Surfaceスリムペン2」の存在が非常に気になっている。「Surfaceスリムペン2」は「Surface Pro 8」や「Surface Laptop Studio」が搭載する「Microsoft G6カスタムプロセッサー」を利用するので、「Surface Go 3」ではたとえ描画は行なえたとしても、触覚モーターは駆動しない可能性が高い。ペンの書き味は次期モデルで進化することを期待したい。
ディスプレーの画質については、色域を実測したところ、sRGBカバー率は99.1%、AdobeRGBカバー率は73.8%、DCI-P3カバー率は75.1%という値が出た。モバイルノートPCとしては平均以上の色域を備えている。
ウェブカメラの画質についてはかなり高いと驚かされた。500万画素のフロントカメラ(F2.0)、800万画素のリアカメラ(F2.0)のどちらも発色は自然。特にオートフォーカス機能を備えたリアカメラは、イメージセンサーの画素数以上に精細に感じられる。メモ用途だけでなく、作品作りなどにも活用できるカメラ画質を備えている。
CPUの代替わりで
「Surface Go 2」の約1.5倍のパフォーマンスを発揮
最後にパフォーマンスをチェックする。まずCPU性能については、「CINEBENCH R23」で1345pts、「CINEBENCH R20」で546pts、「CINEBENCH R15」で245cbを記録した。「Pentium Gold 4425Y」を搭載する「Surface Go 2」が「CINEBENCH R15」で167cbだったので、1.47倍のパフォーマンスを発揮したことになる。
3Dグラフィックス性能は、「3DMark」のTime Spyで329、Fire Strikeで818、Wild Lifeで2256を記録した。同じく「Surface Go 2」がTime Spyで326、Fire Strikeで837だったので、こちらはほぼ同等ということになる。
ストレージ速度はシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)で1701.14MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)で837.07MB/sを記録した。同じく「Surface Go 2」が1701.14MB/s、837.07MB/sだったので、こちらもほぼ同等。もっと高速なストレージを搭載しても、CPU性能に見合わないということなのだろう。
バッテリー駆動時間については、ディスプレー輝度40%で「PCMark 10 Modern Office Battery Life」を実行したところ、7時間14分動作した。モバイルノートPCとしては平均以上のスタミナ性能を備えている。もしこれで不足なら、USB Type-C端子経由でモバイルバッテリーから充電すれば十分カバーできるはずだ。
大画面が有利なメインの仕事マシンにはならないが
最高の満足感を得られる「サブ機」なのだ
本製品はSurfaceタブレットシリーズのエントリーということで、ベンチマークでご覧いただいたとおりパフォーマンスはそこそこ。しかし、ブラウジング、コンテンツ視聴、オフィスアプリの利用などには十分な処理性能を備えているし、使い勝手は上位シリーズと大きな違いはない。
ボディーはマグネシウム製で質感も文句なしだ。最上位構成でもメモリーが8GBなのでメイン端末としては弱いが、わかっている人が購入するなら最高の満足感を得られる「サブ機」なのである。