オウガ・ジャパン専務取締役河野氏に聞く日本市場におけるOPPOの新戦略 (1/2)

文●村元正剛(ゴーズ) 編集●ASCII

2022年08月11日 15時00分

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 OPPOの日本法人であるオウガ・ジャパンの専務取締役・河野謙三氏に、6月23日に発売された「OPPO Reno7 A」の反響や、OPPOの日本市場での今後の展開について話を聞くことができました。ドコモで取り扱われる日は来るのか? 新たなブランドが日本に上陸する可能性は? など、ちょっと踏み込んだ質問にもお答えいただきました。

オウガ・ジャパンの専務取締役・河野謙三氏。インタビューは7月27日に実施。コロナウィルスの感染者が増えている状況を鑑み、オンラインで行なった

前モデルと比べても約1.5倍好調なOPPO Reno7 A
長く使いたいというユーザーの要望に応える

――OPPO Reno7 Aの反響はいかがですか?

河野氏 OPPO Reno7 Aは前モデルのOPPO Reno5 Aより税込価格で約1000円上がりました。それがどう影響するかは未知数でしたが、おかげ様でOPPO Reno5 Aの発売時に比べて約1.5倍の売れ行きとなっています。お客様に非常に好意的に受け止めていただいているという手応えを感じております。

6月23日に発売された「OPPO Reno7 A」。OPPO独自の背面加工「OPPO Glow」による美しいデザインも好評

――発表会では、年内にタブレットを発売することも予告されました。今年は、これからどのように攻めていくお考えですか?

河野氏 今はまず、OPPO Reno7 Aをお客様に「買ってよかった」と言っていただけるように、見届けることが大事だと思っています。今後、タブレットやイヤホンなどの発売も控えており、社内で着々と準備を進めております。告知できるタイミングが来ましたら、お知らせしますので、ご期待ください。

――OPPO Reno7 Aは「ときめき、長持ち。」というキャッチコピーを掲げ、快適に長く使い続けられることをセールスポイントとしています。「ナガモッティ」という新しいキャラクターを用いた動画を公開するなど、長く使えることを強く訴求されていますが、この方針は、いつ頃に立ち上がったのでしょうか?

河野氏 我々は、2017年8月に日本市場に参入したときから、お客様のニーズを探るために、お客様とのタッチポイントを増やしてきました。そこでお客様からのご要望をうかがうと、意外にも消極的なコメントが多かったんですよ。具体的には「機種変更したくない」というご意見です。

 我々としては、たとえば「カメラを3眼にしてほしい」「画質を向上させてほしい」といった、機能を進化させる意味でのご要望が多いのではないかと期待していたのですが、実際に集まったデータを見ると、むしろ「このスマホを気に入っているので、ずっと使い続けたい」というコメントが非常に多かったんです。そこで、昨年の7月頃に「どうしたら長く使っていただけるのだろうか?」というコンセプトで開発を始めたのが、今回のOPPO Reno7 Aです。

――ユーザーとしては、長く使い続けても処理速度が落ちないことはありがたいですが、メーカーとしては、長く使われると、新しい機種が売れなくなってしまうのでは?

河野氏 理想を言えば、コンビニにおけるジュースのように毎日新しい端末が売れればいいのですが、そんなことはあり得ないですからね(笑)。我々は中長期的にお客様にいかに信頼されて、愛されるブランドになるかということを重視しています。これは、2018年に「R11s」で日本に参入したときから一貫して言い続けていることです。

 我々にとってのお客様は、エンドユーザーだけではなく、キャリアや販売店などの販売パートナーも含みます。エンドユーザーからは「買ってよかった」、販売パートナーさんからは「取り扱ってよかった」と思ってもらえる信頼関係を構築することが、日本市場で成功する鍵だと思っています。既存のユーザーには安心して長くお使いいただき、まだOPPOをお使いではないお客様にも「OPPOって良さそうだから、使ってみようかな」と思っていただきたいですね。

6月16日に開催された発表会では、サクサクの操作感が3年間続くことがアピールされた

――長く使えるようにするにあたって、OSのアップデートにはどのように対応していくお考えでしょうか?

河野氏 我々としては、やりたいと思っています。明確に「何回のOSアップデートに対応します」と言いたいところですが、そのためにはまだクリアすべき課題があります。キャリアさんの要求仕様ですとか、 Androidを開発しているGoogleさんの意向とか、クアルコムのチップセットに関する問題とか、そういったことを複合的に確認を取りながら進めていく必要があり、現時点では、まだしっかりと発言できる段階にありません。弊社としては「3年間ヌルサクが続く」と言い方に留まっていて、そこは私としても残念に思っています。

――OPPOから約2年遅れてシャオミが日本市場に参入しました。シャオミもSIMフリー端末からリリースして、キャリアへの供給を始め、OPPOのスマホと価格帯が近い製品を出すなど、なにかと比較されることが多いように思います。意識されることはありますか?

河野氏 日本に参入した当時から同じことを言い続けていますが、OPPOは非常に稀有なメーカーで、他社を一切意識しないメーカーなんです。これは本心から思っていることで、我々にとっての敵は他社ではなく、常にお客様のことを考え、いかに対応していくか。つまり自分自身にあります。人の心は移ろいやすいので、お客様のニーズも変わってきます。

 たとえば今、多くのお客様が大画面のスマホを求めていたとしても、明日になれば、6型以下のスマホが欲しいという人が出てきて、小さい画面のスマホを求める人が増えていくかもしれないわけです。我々が本当に目指さなればならないのは、お客様の真のニーズをどう掴むか、そして掴んだものをいかに製品に反映させていくか。それが一番大事だと思っています。

――まさに、日本の顧客のニーズに応えて、ヒットしたのがReno Aシリーズですよね?

河野氏 OPPOが日本市場に参入してから約5年経ちますが、お客様のニーズに応えて防水防塵とFeliCa(おサイフケータイ)を搭載し、その結果、OPPO Reno A、OPPO Reno3 A、OPPO Reno5 Aは売れました。その成功を見ていただいたからでしょうか、他社も日本向けの端末に、防水とFeliCaを搭載するようになりました。他社がどのように製品を開発しているかはわかりませんが、OPPOほどお客様のニーズを細かく調査して、それを数値化して、製品作りに落とし込んでいるメーカーは、他にはないと自負しています。

 他社の成功例を真似ることはどのメーカーにもできるでしょうが、OPPOは、防水・FeliCaの搭載にたどり着くまでに、それこそ数千ものニーズを調査して、なぜそれが必要なんですか? というところまで踏み込んでディスカッションしています。そして、その過程で出てきたことも製品作りに活かしています。そうしたニーズを汲み取る真剣度合いが、我々の強みだと思っています。

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